ラグビーW杯 堀江、悲願8強へサモアの危険タックル警戒「しっかり準備」自軍はクリーン守備徹底だ

[ 2019年10月1日 05:30 ]

ラグビーW杯サモア戦 ( 2019年10月5日 )

トレーニングする堀江(撮影・吉田 剛)
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 日本代表は30日、東京都内で1次リーグA組第3戦のサモア戦(5日、豊田ス)に向けて、本格的な練習を再開した。今大会では危険なタックルへの取り締まりが厳しくなり、すでに4人が出場停止処分を受けている。うち2人がサモア代表。フッカー堀江翔太(33=パナソニック)は日本代表としてクリーンなタックルの徹底を宣言し、激しいプレーで知られる相手をけん制した。

 アイルランド撃破から2日。体のいたるところにテーピングを施した堀江は、「もう次の試合をどうやるか、今日コーチから下りてきた。今はそれについて頭がいっぱい」と話した。勝利の余韻に浸る間もなく、次の試合がやってくるのがW杯。全面非公開だった午後の屋外練習で、戦術の落とし込みが行われたもようだ。

 サモアとは15年W杯の1次リーグ第3戦以来、4年ぶりの対戦となる。コーチ陣や選手の面々は変わったが、個のフィジカルとスキルを前面に押し出すスタイルは不変だ。もう一つ特徴的なのが激しいプレー。行き過ぎると規律が乱れる傾向があり、初戦のロシア戦では2人のシンビンを出し、その後3試合の出場停止となった。

 今大会序盤は危険なタックルへの甘い判定が指摘され、国際統括団体ワールドラグビー(WR)が判定の厳格化を求める異例の事態となった。その後は厳しく取り締まられており、出場停止者が4人も出た。もっとも堀江は「(タックルが)首に掛かったり、頭に当たったりとかはまずい。危険なタックルは練習中にも厳しく言われているので大丈夫」と証言。日本としてはクリーンなタックルを徹底し、ペナルティーや数的不利となるシンビンの撲滅を徹底する。

 そうした自軍への戒めは、「凄く激しく来るだろうなと予想している」相手に対するけん制にもなる。4年前の対戦では1人が危険なタックル、1人が危険なチャージでシンビンになっているサモア。相手が少なくなれば試合中は有利だが、ケガ人発生のリスクは避けたい。クリーンな試合も堀江の願いだ。

 協会の財政破綻でW杯イヤー以外は世界各国に散らばるトップ選手を招集できず、ゆえにW杯では一戦ごとに強さを増していくのもサモアの特徴。「FWなのでセットプレーを第一に考える。しっかり準備していきたい」と警戒を緩めることなく3勝目を目指す。

 ▽15年W杯日本―サモア戦VTR 1勝1敗で迎えた日本は山田のトライなどで前半を20―0で折り返した。後半も五郎丸のPGで加点し26―5で勝利。サモアは危険なタックルで前半に2人のシンビンを出すなど、反則数は日本の5に対して17。規律の低さを露呈した。

 《突破へ3勝“ノルマ”》○…A組は全5チームが2試合を消化。上位2チームが進む準々決勝には3勝が“ノルマ”とみられる中、鍵となるのは4トライ以上のチームと7点差以内で負けたチームに与えられる1点のボーナスポイント(BP)。アイルランドとスコットランドは力が劣るロシア戦を残し、BPを加える可能性が高い。日本はサモア戦で勝利の上でBPを上積みし、勝ち点を14にできれば、最後のスコットランド戦を有利な立場で迎えられる。

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2019年10月1日のニュース