ジョセフHC W杯後も続投へ ラグビー日本代表

[ 2019年9月30日 08:40 ]

日本代表・ジョセフHC(撮影・久冨木 修) 
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 日本ラグビー協会が男子15人制のジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC、49)とW杯終了後に契約延長する方針を固めたことが30日、複数の関係者への取材で分かった。強化委員会が方針を固め、10月16日に行われる協会理事会での承認を目指し、議題として諮る方針。W杯では開幕2連勝に導くなど、就任3年間の実績と手腕を高く評価。他国協会や海外クラブからの招へいオファーが殺到するとみられる指揮官の引き留めに全力を尽くす。

 現行の契約期間は今年12月31日まで。W杯は大会中盤に入り、すでに世界のコーチ市場も活性化する中、日本協会としても早期の契約延長オファーで引き留めに全力を尽くす方針を固めた。アイルランド戦から一夜明けた29日には、東京都内で協会幹部と強化担当理事が会談し、方針を確認。ジョセフHC本人にも大会前に非公式ながら契約延長を打診しており、好感触を得ているという。

 4年前はエディー・ジョーンズHCが開幕前の8月にW杯終了後に退任することを決断し、日本協会内は大混乱。後任人事は混迷を極め、当時スーパーラグビー(SR)ハイランダーズのHCだったジョセフ氏の就任は16年秋にずれ込んだ。強化にも悪影響を及ぼし、新体制初戦だった16年11月のアルゼンチン戦は20―54と大敗。同じ轍(てつ)を踏まないためにも、早期の正式オファーを目指す。

 集大成のW杯での結果が出ていない段階での決断は、これまで3年間の手腕を高く評価している表れだ。前体制とは異なるラグビースタイルに選手が慣れず、就任から1年間は成績は安定せず。17年6月のアイルランド2連戦では連敗を喫し、当時はW杯に向けて暗雲も立ちこめた。だが同年11月にはティア1のフランスと引き分け。昨秋にはニュージーランド、イングランドに善戦し、今年は今大会を含めてテストマッチ5勝1敗。就任以後の初キャップを獲得したフランカー/No・8姫野、SH流らを現代表の主力にまで育成した手腕も認められた。

 母国ニュージーランドに妻と子供4人を残すことから、ポストW杯イヤーとなる来年は拘束期間を通常より短縮するなど、指揮官のプライベートにも配慮した契約内容になる見通し。期間もまずは21年までの2年間とし、後任候補となる日本人コーチの育成にも力を注いでもらう方針だ。

 7月には清宮克幸副会長が続投支持の考えを示しており、理事会での承認に障壁はない。まずはW杯に全力を注いでもらい、日本ラグビーのさらなる発展に協力を求める。

 ◇ジェイミー・ジョセフ 1969年11月21日生まれ、ニュージーランド・ブレナム出身の49歳。92年に同国代表初キャップを獲得し、95年W杯に出場。W杯後にサニックスに加入し、99年W杯には日本代表として出場した。通算キャップはニュージーランド20、日本9。03年に指導者に転じ、11年にはハイランダーズHCに就任。15年にスーパーラグビー初優勝に導いた。16年9月から日本代表HC。現役時代のポジションはフランカー/No・8。1メートル96。家族は妻と1男3女。

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