白鵬 先場所苦杯の御嶽海下し9連勝、3場所ぶり賜杯へ続く進化

[ 2019年3月19日 05:30 ]

大相撲春場所9日目   〇白鵬―御嶽海● ( 2019年3月18日    エディオンアリーナ大阪 )

御嶽海を寄り切りで破り、懸賞金を受け取る白鵬(撮影・成瀬 徹)
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 横綱・白鵬が御嶽海を寄り切りで下し初日から9連勝とした。優勝候補の本命が日ごとに調子を上げ、単独首位の指定席をがっちり守った。大関獲りを狙う関脇・貴景勝も千代大龍を破り2敗をキープ。大関・豪栄道は2敗に後退したが、横綱・鶴竜らが白鵬に1差で続いている。

 全く危なげがない。先場所苦杯を喫した御嶽海戦。白鵬は右で張って相手の出足を止めると、すぐに右で上手を引いた。得意の右四つとは逆の形になったが、御嶽海が巻き替えにきたところを定石通り寄って出て、勝負を決めた。「どちらでもいいからまわしを取ろうと思っていました。慌てず(相手が仕掛けてくる)時を待ったという感じです」

 2日目の11日に34歳となり、最近はケガとの闘いが続く。昨年10月に右膝を手術し、先場所は両膝の痛みで14日目から休場した。加齢とともに無理がきかなくなっているのは事実。そのため今場所の朝稽古も“2勤1休”。「そうじゃないと膝が持たない」と師匠の宮城野親方(元幕内・竹葉山)は明かす。それでもこの日は相手が御嶽海だったため、稽古場に下りて、すり足や柔軟運動で体を動かした。

 初場所前には「内臓を休ませ老化を防ぐ」効果があると断食も敢行。「5日やると脂肪まで落ちる。それで3日にしたけど、乗り越えた後の景色は別格」と振り返る。その影響で初場所の体重は150キロを切ったが、今場所は稽古とトレーニングで156キロまで戻した。宮城野親方は「下半身の筋肉が大きくなった。年齢を感じさせない」と感心したように話した。

 2010年以降、初日から9連勝した場所は過去34回あり、そのうち25回は優勝している。V確率は7割3分5厘にものぼる。「明日から上位戦ですからね。また気を引き締めていきます」。3場所ぶりの優勝へ、進化を続ける横綱が勢いを加速させる。

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