元稀勢の里・荒磯親方、高安初V太鼓判「万全の状態で大阪入れる」

[ 2019年2月23日 05:30 ]

明るい表情で高安(右)を送り出す荒磯親方(撮影・木村 揚輔)
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 初場所限りで引退した元横綱・稀勢の里の荒磯親方(32)が22日、東京都江戸川区の田子ノ浦部屋で大関・高安(28)と連続して相撲を取る三番稽古を行った。引退後に高安と胸を合わせるのは3度目。春場所(3月10日初日、エディオンアリーナ大阪)で初優勝を狙う弟弟子の好調ぶりを肌で感じ取った。

 師匠の田子ノ浦親方(元幕内・隆の鶴)や多くの力士が春場所に備えて大阪入りしている中、荒磯親方は都内の部屋で高安、三段目力士とともに稽古場に下りた。三段目力士に胸を出した後、高安との三番稽古に移行。初場所4日目(1月16日)の引退から1カ月以上たったが、土俵に上がれば一切の妥協はない。立ち合いから激しく当たり、2番目の相撲では鼻血が出た。立ち合いですぐに右上手を取ると差し手を殺しながら寄り切るなど、迫力は現役時代と遜色なかった。

 「勝敗を気にせずにできるから気持ちいい」と現役時代とは違う立ち位置だけに、寄り切られた際は笑顔も見られた。約20分で15番。現役時代は高安相手に負け越すことは少なかったが、この日は7勝8敗。「この1週間で3度目。万全の状態で大阪に入れるんじゃないか」。横綱に引き上げようとしている弟弟子の力強さが増したことを喜んだ。

 引退後はあいさつ回りなどで忙しく、2月はその合間を縫って稽古場に足を運んだ。食事の量はさほど変わっていないというが、体は少し、小さくなったという。「(現役時代と違って)気が緩んでいるからかな」。数日前に届いたオーダーメードのスーツは「ぶかぶかしているのは格好悪いから」と全て作り直すことにした。

 25日には春場所の番付発表があり、26日から本格的な稽古が始まる。まだまだ稽古まわしが似合う荒磯親方は、これからは弟子のために体を張り続けていく。

 《高安充実「だいぶいいと思う」》荒磯親方の胸を借りた高安は「おかげさまでいい稽古ができました」と感謝した。三番稽古では勝敗よりも内容にこだわり「投げたり引いたりは考えず、前に圧力をかけていった」。荒磯親方が現役だった時は番数を重ねるごとにスタミナの違いが顕著となったが、この日は最後の2番でしっかり勝ち切った。「だいぶいいと思う。体の芯がいい具合に力が入ってきた感じ」と手応えを口にしていた。

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