【坂本正秀氏の目】精神面で成長著しい!大坂 試合の中で感情コントロール

[ 2019年1月25日 09:30 ]

テニス 全豪オープン第11日 ( 2019年1月24日    オーストラリア・メルボルンパーク )

プリスコバとの女子シングルス準決勝を制した大坂。全豪では男女を通じて日本勢で初めて決勝に進出する快挙を達成した(AP)
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 全米の優勝は勢いもあったが、今回は本物。大坂の成長を感じる一戦だった。第2セットはジュースまでもつれた第3、第5ゲームなどブレークできそうなゲームを落として、4―6で失った。以前までのメンタルなら、がっかりして引きずっていたが、タフな試合を経験して試合の中で感情をコントロールできるようになった。

 一つのプレーが終わると、素早くストリングスに目をやって集中するそぶりを見せたり、小さく拳を握り「カモン、カモン」とつぶやきながら自分自身を鼓舞しているシーンが見られる。これはマリア・シャラポワ(ロシア)もやっている動作で、参考にしているのかもしれない。

 猛暑の影響で屋根を閉めての試合となった。風がなく太陽の影響も受けないインドアはビッグサーバーに有利となる。強烈なサーブが武器のKa・プリスコバ(身長1メートル85)にプラスに働くと思ったが、大坂の方がサービスエースを欲しい場面でしっかりと決めていた。決めたい場面でも力みがないので、スイングスピードが落ちない。ここにも精神的な成長がうかがえる。

 決勝は今大会で最もタフな試合になることが予想される。対戦相手のクビトバは1回戦からすべてストレート勝ちしており絶好調だ。特にアングルをつけて広角に打つショットの精度が高い。大坂は体の近くに来たボールをためて打つことは得意だが、速いテンポで外に来るボールに対してはミスが増えるかもしれない。

 相手の速いペースに力だけで対抗しないことが必要。効果的なスライスショットなども打てるようになっているので、相手の出方を見て対応する冷静さが問われる。世界ランク1位を懸けた大一番となるが、勝機は十分にあるだろう。(WOWOW解説者、日本テニス協会公認S級エリートコーチ)

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2019年1月25日のニュース