大鵬孫 納谷幕下で初の勝ち越し 父の元貴闘力「気迫がたりない」の言葉に発奮 

[ 2019年1月25日 14:52 ]

大相撲初場所13日目 ( 2019年1月25日    両国国技館 )

<初場所13日目>霧乃龍を破った納谷(撮影・郡司 修)
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 昭和の大横綱・大鵬の孫、幕下の納谷が霧乃龍を破り4勝3敗でうれしい勝ち越しを決めた。立ち合いから突き放し、相手が懐に入ろうとするところを突き起こしながら押し切った。

 「前に出れたので…。いつも通り当たって突き放していこうと思っていました」

 今場所は5日目から3連敗と調子を崩し、三段目陥落の崖っぷちに追い込まれた。

 「体の調子は凄く良くて…。でも足が出なかった。それで足が出ないなら出ないなりに自分の相撲を取ろうと思っていました。ただ(連敗中も)苦しくはなかった」

 3敗目を喫した後に、実父の元関脇・貴闘力の鎌苅忠茂氏に呼び出され、気合いを入れられた。鎌苅氏は「土俵で気迫が足りない。はたかず最後まで突き放していくようにと言いました」と明かす。現役時代、闘志あふれる相撲で“曙キラー”と呼ばれた父の言葉が発憤材料になったのか、そこから2連勝で窮地を脱した。

 初めて幕下で取った昨年秋場所は、3勝4敗で負け越し。そのリベンジも果たした。

 「(今場所は)体は動かなかったけどそれなりに取れた。(連敗中は)いろいろ無駄に考えてしまいました。シンプルがいい。来場所も勝てるように頑張ります」

 祖父の命日だった19日の7日目に敗れた際には「そういう時くらい勝っておきたかったのに、最後力が抜ける感じになった。イライラしていました」と珍しく無言で支度部屋に戻った。そういう苦い経験も今後の糧になる。入門後は本場所が終わると必ず大鵬さんの菩提寺の妙久寺を訪れ、墓前に手を合わせている。今場所はいい報告ができそうだ。

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2019年1月25日のニュース