逆転の大坂 心折れない19年!オトナへ成長 くせ者討ち16強

[ 2019年1月20日 05:30 ]

テニス全豪オープン第6日 女子シングルス3回戦   大坂2―1謝淑薇 ( 2019年1月19日    オーストラリア・メルボルンパーク )

女子シングルス3回戦で、ポイントを奪われ悔しがる大坂
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 女子シングルス3回戦で第4シードの大坂なおみ(21=日清食品)は第28シードの謝淑薇(シャシュクビ、33=台湾)に5―7、6―4、6―1で逆転勝利を収めた。昨季は第1セットを落とした試合を2勝20敗と苦手としていたが、精神面の成長を感じさせた。4回戦ではアナスタシヤ・セバストワ(28=ラトビア)と対戦する。男子シングルスでは第8シードの錦織圭(29=日清食品)がストレート勝ち。男女のエースが昨年の全米に続きグランドスラム2大会連続で16強に駒を進めた。

 3歳児のメンタルを“大人のなおみ”がなだめた。第1セットを5―7で落とし、迎えた第2セット。第2ゲームをブレークされ、相手サーブの第3、5ゲームはラブゲームで失った。2―4と後がない第7ゲームも0―40。追い込まれたが「グランドスラムで素晴らしい相手と試合をしている。楽しまなくてどうするのよ」と開き直った。強烈なフォアハンドを連発して5連続ポイントでブレーク。勢いに乗り第2セットを奪い返すと、第3セットは3ゲームをブレークして圧倒した。

 序盤はスライスやドロップショットなどトリッキーなスタイルで“くせ者”の異名を持つ相手に苦戦。第1セットだけで20本ものミスを重ね、イラ立ちからラケットを2度投げつけ警告を受けた。さらに明らかにラインを割ったショットにチャレンジを要求してあえなく失敗するなど、精神力の弱さが顔をのぞかせた。

 昨季までならここでガタガタと崩れていくところ。だが「諦めたくなかった」。18年は第1セットを落とした試合は実に2勝20敗。主導権を握れず試合中にふてくされたり、泣きだすこともあった。それでもサーシャ・バイン・コーチから「我慢の大切さ」を日々説かれたことで成長。開幕前には「私は精神的に3歳児みたいなところがある。人間的に成熟したい」としっかりと内面と向き合う意向を口にしていた。1月3日のブリスベン国際準々決勝でもセバストワに3―6、6―0、6―4で逆転。この日も切れかけた緊張の糸を必死につなぎとめ、進化を示した。これで19年は第1セットを先取されても2勝1敗と白星が先行。徐々にではあるが、幼さから脱却しつつある。

 前日練習では背中に違和感があるしぐさを見せており、第1サーブの平均速度は2回戦に比べて5キロ近く落ちた。状態が不透明な中、苦しみながらも2年連続で16強進出。4回戦ではセバストワと再戦する。大坂は「このような勝ち方ができて自信になる。セバストワと2週間前に対戦したが、タフな試合だった」と表情を引き締めた。シビアな戦いを重ね、精神年齢と実年齢のギャップを埋めていく。

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