錦織 ジョコに14連敗「彼のレベルについていけなかった」

[ 2018年9月9日 05:30 ]

全米オープン第12日 男子シングルス準決勝   錦織0―3ジョコビッチ ( 2018年9月7日    ニューヨーク・ビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニスセンター )

男子シングルス準決勝で敗れ4年ぶりの決勝進出を逃した錦織(AP)
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 男子シングルス準決勝で、第21シードの錦織圭(28=日清食品)は元世界1位で第6シードのノバク・ジョコビッチ(31=セルビア)に3―6、4―6、2―6で敗れ、4年ぶり2度目の決勝進出はならなかった。天敵のジョコビッチにはこれで14連敗となり、7月のウィンブルドンに続いて相性の悪さを克服することができなかった。

 第3セットの第3ゲームでジョコビッチがブレークすると、ぞろぞろと観客が家路に就き始めた。7回までに大差のついた野球と同じ。試合のすう勢を多くの観客が悟っていた。

 錦織ももどかしい思いでセンターコートに立っていた。「足が動かず体も使えてないからミスが出る。自分が彼のレベルについていけなかった」。ベスト4まで勝ち上がり、心身両面で想像以上に疲労を抱えていた。第1セットは相手サーブに全くタイミングが合わず、リターンできたのは24本中わずか9本。積極性のないストロークも迫力を欠いた。

 第2セットの出だしも大ピンチだった。しかし4本のブレークポイントを切り抜け、15分近くかけて辛うじてキープ。ピンチの後にチャンスありで、第2ゲームでは2本のブレークポイントをつかんだ。ところがこれをいずれも不用意にネット。リターンゲームで3ポイント以上奪ったのはここと最終ゲームだけで、二度とチャンスは来なかった。

(希望見えぬまま/) 「試そうと思ったことを、ことごとく封じられて鋭い球が飛んできた」。苦しい試合展開で重たい体と心はさらに沈み、「自分のテニスがよみがえってくる気配がなかった」と13連敗中の相手に希望を見いだせなかった。

 「4大大会で決勝に行ったり、優勝するには体力がいる。メンタル的にも疲労がくるので、そういう強さがないといけない」。前哨戦の不振を考えれば望外のベスト4。だが最後は自分に足りないものを突きつけられて敗れ去った。

 ○…ジョコビッチは錦織に対し、絶対の自信を持っているのがプレーににじみ出た。長いストローク戦では返球のコースを読んでいるかのような絶妙なポジション取りで主導権を握り、日本のエースを追い込んだ。「重圧をかけ続けて、相手を動かしリズムを奪うことを心掛けた」。戦略的なテニスでブレークされたゲームは一度もなかった。ウィンブルドンに続く今季2冠まであと1勝。全米の決勝は2勝5敗と勝率が悪いが「いい結果を手に入れたい」と誓った。

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2018年9月9日のニュース