オーストラリアのプロゴルファーが白血病の治療を断念 自宅での緩和医療へ

[ 2018年8月1日 14:56 ]

緩和医療を選択したライル(AP)
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 17歳のときに急性骨髄性白血病と診断されながらプロゴルファーとして活躍していたオーストラリアのジャロッド・ライル(36)が医師の同意を得た上で病院での治療にピリオドを打ち、2人の娘とブリオニー夫人がいる自宅で緩和医療を受けることになった。

 ライルは米PGAツアーの下部「ネーションワイド・ツアー(現ウェブドットコム・ツアー)」で2008年に2勝を挙げ、同年の全米オープンでは48位。PGAツアーには通算で10試合に出場していた。米国ではマイナーツアーを含めて計121試合に出場し、賞金187万5000ドル(約2億1000万円)を獲得。1998年と2012年には長期に及ぶ治療を受けてコースに復帰して注目を集めた。

 しかし2017年に病気が再発し、昨年12月に骨髄移植を受けたものの病状は悪化。ブリオニー夫人によればライルの体力は“極限”に達し、医師たちは「治療を続けてもポジティブな結果を得られない」という見解で一致したという。

 AP通信によれば、同夫人は「この文章を書いているだけで心が打ちひしがれます。きょう(7月31日)、ジャロッドは治療を止めて緩和医療を始める決断をしました。やれるだけのことはやってきましたが、衰えた彼の体はもう言うことをききません。数日したら彼を自宅に連れて帰ります。ようやく病院を出ることができます」というメッセージを投稿。「ジャロッドは多くの人に愛され、そして支えられたことを知っています。そのサポートがあったからこそ、信じがたいほどの苦しい時期を乗り越えられました。本来なら個別にお礼を申し上げたいところですが、それができないのをお許しください」と、多くの友人と関係者に感謝の意を伝えた。

 さらにブリオニー夫人は「ジャロッドはまもなく2人の娘のそばに戻ります。可能な限り一緒にいることでしょう。そして私はこれから先、試練と立ち向かうことになる娘たちに対して何でもしてあげようと思います」とコメント。2013年にメルボルンで開催されたオーストラリア・マスターズで復帰した際、コースで嵐のような拍手を集めた夫への熱い思いを漂わせながらメッセージを締めくくった。

 なおライルは今月21日に37回目の誕生日を迎える。

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