萬斎、羽生起用もある?期待高まる東京五輪パラ開閉会式「お楽しみに」

[ 2018年8月1日 05:44 ]

東京五輪・パラリンピック開閉会式の総合統括を務める狂言師の野村萬斎(中央)、五輪担当で映画監督の山崎貴氏(左)、パラ担当でクリエーティブディレクターの佐々木宏氏は手を合わせ意気込む(撮影・郡司修)
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 2020年東京五輪・パラリンピックの開閉会式を企画、演出する総合統括に決まった狂言師の野村萬斎(52)が31日、都内で記者会見を行った。自身と縁が深いフィギュアスケート羽生結弦(23)の登場の可能性について聞かれると「当日のお楽しみ」と笑顔で回答。出演に期待を持たせた。

 五輪・パラリンピック開閉会式の計4式典を一体で演出するチームのまとめ役に就いた野村は「大役を仰せつかって身の引き締まる思い」とあいさつ。東日本大震災からの「復興五輪」という大会理念を何度も口にして「鎮魂と再生は能狂言など芸能の重要な部分。その精神を生かすことが復興五輪にとって意味がある」と力を込めた。

 一方で「ワクワク、ドキドキ感がないと説教くさくなる。芸術からエンターテインメントまで貪欲に網羅し、時に静まり、時に高揚する振れ幅の大きなものにしたい」とも強調。世界中が注目する2年後のセレモニーの輪郭を示した。

 こうしたイメージにピッタリと合致するのが羽生だ。地元の仙台市で被災した経験を乗り越え、五輪2連覇の偉業を達成。自らの活動を通じて被災地へのメッセージを発信し続けている。芸術的かつエンターテインメント性に富んだ演技も誰もが知るところだ。

 野村との縁も深い。01年に野村が主演した映画「陰陽師」のテーマ曲「SEIMEI」を、15〜16年シーズンからフリープログラムに採用。その際、狂言の技術を基にした助言を受けた。野村からは「今まで教えた中で一番、打てば響く」と絶賛されている。

 最大の見せ場の聖火点火は、開会式の展開に沿った「必然性のあるものに」と語った野村。取材陣から、羽生の式典登場の可能性について聞かれると「それは当日のお楽しみということで」と笑顔で答えた。ファンの期待は当日まで高まりそうだ。

 ○…会見には、五輪を担当する映画監督の山崎貴氏(54)、パラ担当でクリエーティブディレクターの佐々木宏氏(63)も同席。映画「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズで知られる山崎氏は「いろいろな人の力を結集させて日本らしい開閉会式ができれば」と語った。近年関心が高まる映像演出について「映像に頼りすぎると会場の人が置いてけぼりになる。(テレビで見る人には)会場の熱気をどう伝えるかが大事」とした。

 大会組織委員会によると、過去の大会ではパラの演出陣は後から決まることが多かったが、東京大会では「パラを重視し、4式典に一体感を持たせる」ため、同時発表。佐々木氏は五輪後に「祭りの後、にならないようにもう一盛り上がりを目指す」と意気込んだ。

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