貴ノ岩 春場所出場意欲「一生懸命やるだけ」事件後初の公の場

[ 2018年3月2日 05:30 ]

泥だらけの姿で取材を受ける貴ノ岩
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 元横綱・日馬富士の傷害事件で被害者となった十両・貴ノ岩(28=貴乃花部屋)が1日、京都府宇治市の貴乃花部屋宿舎で師匠の貴乃花親方(元横綱)とともに取材に応じ、春場所(11日初日・エディオンアリーナ大阪)への出場意欲を示した。事件が発覚してから貴ノ岩が公の場で取材に応じたのは初めて。貴乃花親方は出場するかどうかは取組編成会議前日の8日に決める意向を示した。

 約70人の報道陣が詰めかける中、貴ノ岩が公の場で口を開いた。最初に現在の心境を聞かれると「少しずつだが、体を自分なりに動かしている」と語った。10月26日に暴行を受けてから4カ月余り。土俵上で相撲を取る稽古ができていないため、万全の状態には程遠い。「まだまだしっくりはきていない」というのが本音だ。ただ、春場所には出場する意向で「(3場所ぶりの出場に向けて)一生懸命やることだけを考えている」と話した。

 貴ノ岩が春場所の宿舎に入ったのは2月20日。それ以前は都内の貴乃花部屋に姿を現すこともあったが、稽古再開は2月26日からという。この日もぶつかり稽古などは行ったが、依然として土俵上での稽古はできていない。「少し戻っている」という体重は149キロ。最後に量った昨年秋場所前の150キロとほぼ変わらないが、筋肉などは幾分落ちているように映る。申し合いを開始する時期については「もうちょっと」と慎重だった。話がケガの状況に及ぶと、貴乃花親方が遮り、取材は約2分半で終了した。

 午後からは、貴乃花親方、幕内・貴景勝らとともに宇治市役所に足を運び、山本正市長を表敬訪問した。市長から「頑張ってください」と声を掛けられると「ありがとうございます」と頭を下げた。傷害事件は引退した元日馬富士が略式起訴となったが、貴ノ岩が以前と同じように相撲が取れなければ本当の意味での終結にはならない。周囲の期待に応えるため、ぎりぎりまで調整を続ける。

 【貴ノ岩これまでの経緯】
 ▼17年10月26日 未明に日馬富士から暴行を受けて頭部を負傷
 ▼同29日 鳥取県警に出向き、被害届提出
 ▼11月5日 福岡市内の病院に入院
 ▼同9日 退院
 ▼同10日 九州場所の休場が発表される
 ▼同13日 九州場所2日目に診断書提出
 ▼12月3日 この日から開始の冬巡業を休場
 ▼同19日 日本相撲協会危機管理委員会の聴取を受ける
 ▼同26日 初場所番付発表。十両に陥落
 ▼18年1月12日 診断書を提出して初場所の休場が決定
 ▼2月20日 春場所宿舎の京都入り
 ▼同26日 春場所番付発表。特例措置で十両にとどまる。公の前で初めて稽古再開
 ▼3月1日 朝稽古後、貴ノ岩が騒動後初めて公の場で取材に応じる。午後には宇治市長を表敬訪問

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