稀勢「アーッ」左腕また痛めた!?不安露呈、連合稽古打ち切る

[ 2017年7月2日 05:30 ]

二所ノ関一門の連合稽古で、嘉風(手前)の攻めに苦しい体勢の稀勢の里
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 左上腕などの負傷から復活を目指す横綱・稀勢の里(30=田子ノ浦部屋)が1日、名古屋市天白区の二所ノ関部屋での二所ノ関一門連合稽古で、小結・嘉風に2勝7敗と大きく負け越した。負傷箇所を痛がる場面もあり、15分足らずで稽古を切り上げた。前日に続く精彩を欠く内容で、名古屋場所(9日初日、愛知県体育館)に向けて不安を露呈した。

 異変が起きたのは8番目の相撲だった。嘉風の左からの下手出し投げを食らった稀勢の里は、前のめりになり左手をついた。腹についた砂を払って次の相撲に臨んだが、立ち合いで当たった直後に「アーッ」と叫ぶと、あっさり土俵を割った。そのまま稽古を打ち切り、稽古場の裏に下がった。付け人は慌てて氷を準備した。

 春場所13日目の日馬富士戦で負傷した左上腕と左大胸筋。再び痛めたのかという質問には返答しなかった。稽古の視察に訪れた相撲解説者の北の富士勝昭氏(元横綱)は「期待して来たのに治ってないんだな。動きが悪いし左が使えていない。また(ケガを)やったんじゃないか心配」と稀勢の里を気遣った。

 痛めたとみられる相撲の前も精彩を欠いた。前日も9勝12敗と苦戦した嘉風相手に、この日もなかなか左を差せなかった。いろいろ試そうとしているのかと聞かれると「試そうとは思ってないけど、少し良くなっても、少し歯車が狂うとよくない」と浮かない表情だった。名古屋入り後は新大関の高安との稽古で復調気配だったが、不安を露呈して残り1週間の最終調整に臨むことになった。

 午後からは名古屋市熱田区の熱田神宮での奉納土俵入りに、他の3横綱とともに参加した。人出は過去最高の8000人で、最も声援が大きかったのは稀勢の里だった。「たくさんの人が来てくれてありがたい。いいきっかけになってくれればと思う」と必死に前を向いていた。

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