多田 9秒台お預けも世陸に弾み、前回Vから0秒25伸ばす

[ 2017年7月2日 05:30 ]

陸上 西日本学生対校選手権第2日 ( 2017年7月1日    広島市・エディオンスタジアム広島 )

西日本学生対校陸上第2日 男子100メートル決勝、10秒21の大会新記録で優勝した多田(左)
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 8月の世界選手権(ロンドン)代表の多田修平(21=関学大)は男子100メートル決勝で追い風0・3メートルの条件の中、10秒21の大会新記録で優勝した。1週前の日本選手権ではサニブラウン・ハキーム(18=東京陸協)に次ぐ2位に入った21歳。連戦の疲労蓄積から期待された公認9秒台は出なかったが、昨年よりも0秒25も記録を伸ばして連覇を飾り、世界の舞台に向けて弾みをつけた。

 日本人初の公認9秒台はお預けとなったが、多田が圧倒的な実力差は見せつけた。「スタートも全然。中盤にかけてもピッチが回らず後半も力んだ」と反省点を口にしたが、最初から最後まで先頭を守り抜き連覇を達成。タイムは10秒21と伸びず「いい走りをお見せできなかった」と悔やんだが、大会記録を0秒16更新し、初優勝の昨年よりも0秒25も上回り「許せる範囲」と及第点を与えた。

 3週前の日本学生個人で追い風参考ながら国内で日本人初の9秒台を記録し、先週の日本選手権で代表の座をつかんだ。迎えた今週。さすがに疲労で夜の400メートルリレーを欠場したが、それでも100メートルの出場を決めたのは「僕が点数を獲って貢献したい」というチームへの思いから。100メートル決勝後には大会関係者から「救急車で運ばれたのでは」とデマが流れたが、本人はケロリとした表情で現れ周囲を安どさせた。

 1カ月後に世界の大舞台が控えている。「疲れを取りつつ筋トレを増やして技術面でも確認できれば」。自らの走りを“西日本”から“世界基準”へと見直し、ロンドンで飛躍する。

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2017年7月2日のニュース