杉田　日本男子３人目のツアーＶ　修造超え世界ランク４４位へ

男子テニス　アンタルヤ・オープン （ 2017年7月1日    トルコ・アンタルヤ ）

アンタルヤＯＰシングルス決勝でショットを放つ杉田
Photo By 共同

　遅咲きの“仙人”が日本男子３人目の快挙を成し遂げた。ツアーで初の決勝進出を果たした世界ランキング６６位の杉田祐一（２８＝三菱電機）が、同６２位のアドリアン・マナリノ（２９＝フランス）を６―１、７―６で破り、松岡修造、錦織圭に続くツアー優勝を手にした。最新のランキングでは松岡の最高位を抜く４４位となる見込み。

　アンタルヤの最高気温は４４度。ベンチに戻るたびに氷のうを当て、それでも流れる汗とともにみるみる体力は削られた。第２セットはタイブレークの接戦を制し、最後は相手のリターンがネットにかかると喜びをかみしめてコートに倒れ込んだ。この１年間はツアーを回りながら１５０日以上トレーニングに充てて土台をつくり、バルセロナ・オープンでも８強入りを果たすなど大きく成長。「バランスの取れた心技体がプロ１１年目にして固まりつつある」とステップアップを実感していた。錦織圭が「日本人選手の中で一番変わっている。仙人のような、修行に出るような発言や行動がある」と評するベテランが大輪の花を咲かせた。

　◆杉田　祐一（すぎた・ゆういち）１９８８年（昭６３）９月１８日、宮城県仙台市出身の２８歳。７歳でテニスを始め、神奈川・湘南工大付高３年時の０６年にプロ転向。１４年ウィンブルドンで４大大会予選１８回目の挑戦で初の本戦出場を果たす。４大大会は４度出場して未勝利。１メートル７６、６７キロ。