帝京大 焦らず4強 先制許すもあっさり逆転 V8へ好発進

[ 2016年12月18日 05:30 ]

ラグビー全国大学選手権 準々決勝 ( 2016年12月17日    秩父宮 )

<大学選手権準々決勝(帝京大・大東大)>相手と競り合いながら突進する帝京大・堀越(中央)
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 準々決勝4試合が行われ、今大会初戦となった8連覇を目指す帝京大は55―19で大東大を圧倒し、来年1月2日の準決勝(秩父宮)進出を決めた。帝京大はFW主体の攻撃で8トライ中7トライをFW勢が奪い、強力な外国人選手をそろえる相手を退けた。昨年度準優勝の東海大は京産大を大差で破り、3季連続の4強入り。また天理大、同大がそろって勝利し、06年度以来10季ぶり8度目の関西勢2校の4強進出となった。

 「今年の大東大は強力だと感じたので、久しぶりに気合を入れた」。試合後会見の冒頭、岩出雅之監督はこの日出場した23選手の激しいプレーの理由を説明した。数字上はトリプルスコアに迫ったが、ノーサイドの瞬間まで接戦のような緊張感と隙のなさを持続。V8へ好スタートを切った。

 亀井主将が「ウオーミングアップから硬さがあった」と反省したように、WTBサウマキ、FWのファカタヴァ兄弟の強力トンガ留学生を擁する相手との対戦に向けて2週間じっくりと準備してきたことが逆にあだとなり、試合序盤は気合が空回りした。前半5分に先にトライを奪われ、相手の出足の速いディフェンスに手を焼き、ハンドリングミスも連発した。

 同18分、SO松田のPGでようやく3点を返してから真骨頂を発揮。20分、相手反則からゴール前ラインアウトの機会を得ると、モールからあっさりとフッカー堀越が逆転のトライ。前半35分、後半11、32分にも、VTRを見るかのようなパターンで計4トライを量産した堀越は「最初のトライで手応えを得た。低く組めば押せる、と」と胸を張った。

 見る者にはワンパターンに映ったトライシーンを、岩出監督は「保守的になったのではなく、そこが相手の弱いところだった」と説明した。連覇が始まったころは、FW一辺倒の戦いぶりだとして厳しい目を向けられたが、今は違う。相手を詳細に分析し、敬意を払ったからこその徹底したモール攻撃。本来決定力のあるバックスはディフェンスで奮起し、WTB吉田も「自分の仕事は果たせた」とサウマキ封じを誇ってみせた。

 5季ぶりに完全ノックアウト方式となり「緊張感もあった」(岩出監督)中での完勝。前人未到の8連覇へ、視界は良好だ。

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2016年12月18日のニュース