松山 脳裏よぎる3・11 W杯へ決意「日本を背負う」

[ 2016年11月23日 05:30 ]

入念にバンカーショットの練習をこなす松山
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 男子ゴルフの国別対抗戦W杯は24日から4日間、オーストラリア・メルボルンのキングストン・ヒースGC(7087ヤード、パー72)で開催される。日本代表の松山英樹(24=LEXUS)と石川遼(25=CASIO)は22日、ラウンドせず練習場で調整。初出場の松山は国を背負って戦う決意を示した。第1日の組み合わせが決まりダニー・リー(26)、ライアン・フォックス(29)のニュージーランドと同組で午後0時半(日本時間同日午前10時半)にスタートする。

 日の丸の付いたウエアを身にまとった松山は「日本を背負うという気持ち」と力を込めた。この日あった、福島県沖を震源とする最大震度5弱の地震が決意を固くさせた。「あまり意識しすぎると良くないけど、今日の朝も地震があって津波もあった。嫌でも意識しなきゃいけないかなと感じる」と続けた。

 東北福祉大3年で初出場した11年マスターズ。直前に東日本大震災が発生した。被災地を元気づけたいとの思いで戦い27位でローアマを獲得。帰国後は支援活動に汗を流した。そうした経緯があるだけに「日本を背負う」意識が強くなるのも当然だ。

 雨が降ったこの日はパット、ショット、アプローチの練習を約2時間行った。17日にオーストラリア入りしフォアサムの練習もこなしているが「ダブルス(フォアサム)というよりはコースを見たかった。コースは見られたので良かった」と話した。

 今大会は第1日と第3日がフォアサム、第2日と最終日がフォアボールで争う。松山は「2日目と4日目は自分のボールでプレーできるし、スコアを出さなきゃいけないので攻めると思う。初日と3日目にどれだけ我慢できるか」と指摘した。

 米ツアー公式サイトの優勝予想では、3位のスペインや、米ツアーの人気選手ファウラー、今年の全米プロ選手権覇者ウォーカーを擁す4位の米国などを抑え、オーストラリアに次ぐ2位にランクされた。最近2カ月の出場5試合ですべてトップ5入りし3勝した松山の好調さが大きな要因。世界ランキングも今大会出場選手中最高の6位とあり妥当な評価と言える。

 松山は下馬評の高さを「あまり気にしない」と意に介していない。「僕も僕自身に期待しているし、遼にも期待する部分はある。しっかり良い状態で臨めるようにしたい。それだけかなと思う」との言葉に自信がにじんだ。

 ▼W杯 第1回はカナダ杯として1953年にカナダで開催。67年からW杯の名称に。ほぼ毎年開催されたが今回は3年ぶりで58回目。試合方式は何度か変更され前回は2人1組で各自のストロークプレーの合計スコアで争われた。今大会は28カ国56人が出場し、初日と3日目はフォアサム(同じチームの2人が1つのボールを交互に打ったスコアを記録)、2日目と最終日はフォアボール(2人がそれぞれ自分のボールを打ち、ホールごとに良い方のスコアを採用)を実施。72ホールの合計スコアで順位を決定する。

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2016年11月23日のニュース