リオ州が財政非常事態 五輪警備への影響に懸念

[ 2016年6月18日 11:33 ]

 8月に五輪が開催されるブラジル・リオデジャネイロ州のドルネレス知事代行は17日、財政が危機的状態にあるとして非常事態を宣言した。五輪関係の責任を果たせないとして連邦政府に資金支援を求めるのが狙い。

 リオデジャネイロ市のパエス市長は市が管轄する競技施設や関連事業のほとんどの工事が終わっていると指摘し、影響を否定したが、州などが管轄する警備への影響が懸念される。

 地元メディアによると、ドルネレス氏は16日、テメル大統領代行(副大統領)と会談し、非常事態を宣言することで合意。行政サービスの合理化など非常措置を取ることで、連邦政府からの資金支援を受けやすくなるという。

 非常事態宣言は「財政危機により、治安や保健、教育、交通が全面的に崩壊する恐れがある」とする一方「五輪は重要なイベントであり、行政の不安定化はブラジルのイメージを危機にさらす」として、非常措置はあくまで五輪成功のためのものだと強調した。

 ブラジルでは経済が低迷。リオ州は国営石油会社ペトロブラスの本社があるが、業績不振などで納税額が減少している。

 ドルネレス氏は病気療養中のペザン知事に代わって業務に当たっている。(共同)

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2016年6月18日のニュース