キャブス、ウォリアーズの地元V阻む ジェームズ&アービングが史上初の快挙

[ 2016年6月14日 14:48 ]

41得点を挙げたキャバリアーズのジェームズ(AP)

 NBAファイナルは13日にオークランドで第5戦を行い、キャバリアーズが112―97(前半61―61)でウォリアーズを下して2勝3敗。ウォリアーズの地元での連覇達成を阻み、勝負は16日にクリーブランドで行われる第6戦以降に持ち越された。

 この日はレブロン・ジェームズ(31)が41得点16リバウンド7アシストと3スティール3ブロックショットいう獅子奮迅の活躍を見せれば、カイリー・アービング(24)も5本の3点シュートなどで41得点。ファイナルで同一チームの2選手が40得点以上を記録したのはこれが史上初めてとなった。

 第4戦(10日)の残り2分にジェームズともみ合いを演じたウォリアーズのドレイモンド・グリーン(26)はフレイグラント・ファウル(過度の反則)のプレーオフでの累積ポイントが「4」に達したために、この日はオラクル・アリーナに隣接する大リーグ・アスレチックスのオークランド・コロシアムの特別席に待機。アスレチックス対レンジャーズ戦が進行する中で第5戦をテレビで観戦していた。試合開始前にロッカールームからジェームズが登場すると、ウォリアーズの2万人のファンはいっせいにブーイング。しかしそんな雰囲気の中でジェームズは堂々と存在感を示した。

 「まだ試合ができる。そうなるためにみんなで頑張ったから実に喜ばしい。いつ第6戦をやってもいいくらいだ」とフィールドゴール(FG)を30本中16本成功させた“キング”は笑顔。チームのFG試投は83本だが、そのうちジェームズとアービングだけで54本を占める(65%)という個人技優先の「二極集中オフェンス」でウォリアーズをかき回した。

 クリーブランドで行われた第4戦に97―108で敗れた時点で1勝3敗。V率0%という最悪のデータと直面していた。この日に勝ったからといってその確率が変わるわけではないが、少なくともキャバリアーズは地元のファンが見守る中でもう1試合戦えることになった。

 一方、敗れたウォリアーズは後半に失速。ジェームズにブーイングを浴びせていたファンは第4Qの残り5分を切った頃から家路につき始めた。クレイ・トンプソン(26)が6本の3点シュートなどで37得点を挙げ、ステファン・カリー(28)も25得点を稼いだものの第4Qに入って点差はみるみる広がるばかり。仲間を鼓舞するボイス・リーダー役のグリーンが不在だったこともあって、土壇場でエネルギーがフェードアウトしていった。

 しかも第3Qにはセンターのアンドリュー・ボーガット(31)がJ・R・スミス(30)のシュートをブロックしようとした際に左膝を痛めてダウン。14日に精密検査を受ける予定だが症状はかなり重く、今後の出場は微妙になった。

 ボーガットは今季5・4得点、7・0リバウンドと数字こそ際立ったものではないが、オフェンスではカリーのスクリーン役を務め、ディフェンスでは相手センターに圧力をかけられる貴重なビッグマン。第6戦でフォワードのグリーンは戻ってくるが、今度はセンターのローテーションが難しくなりそうだ。

 <第5戦の主なデータ>

 ▼1勝3敗からの逆転はプレーオフでは過去10回。今季は西地区決勝でウォリアーズ(対サンダー)が達成している。しかし過去32回あったファイナルではまだ一度もシリーズを逆転したケースはない▼ウォリアーズが本拠地オラクル・アリーナで負けたのは今季4回目。レギュラーシーズンでは39勝2敗、ポストシーズンでは11勝2敗▼キャバリアーズのジェームズはプレーオフ通算197試合目。スパーズのマヌー・ジノビリと並んで歴代9位となった。通算リバウンド(1739)もエルジン・ベイラー(元レイカーズ=1724)を抜いて歴代9位。

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