錦織「満足」準決勝進出!4本のセットポイントしのぎ一気に反撃

[ 2016年4月23日 05:30 ]

シングルス準決勝進出を決め、観衆に手を振る錦織(AP)

バルセロナオープン男子準々決勝 錦織7―5、6―0ドルゴポロフ

(4月22日 スペイン・バルセロナ)
 シングルス準々決勝で、世界ランキング6位で第2シードの錦織圭(26=日清食品)は、世界30位のアレクサンドル・ドルゴポロフ(27=ウクライナ)に7―5、6―0でストレート勝ちを収めた。第1セット第10ゲームで4本のセットポイントをしのぐと、そこから9ゲームを連取。熊本の被災地にマットレス1000枚を送ることを表明するなどこの日はコート内外で抜群の活躍を見せた。23日の準決勝では、最近の対戦で連敗を喫している世界22位の“天敵”ブノア・ペア(26=フランス)と対戦する。

 チャンスとピンチは両者に等しく与えられた。まず最初に追い込まれたのは錦織の方だった。互いにブレークポイントもないまま進んだ第1セット。4―5で迎えた第10ゲームで初めてピンチが訪れた。

 この日、最初のブレークポイントはドルゴポロフのセットポイント。そこから耐えて、耐えて、耐えて、耐えた。セットポイントをはね返すこと4度。窮地をどうにか切り抜けると、勝負の定石通り、ピンチの後にチャンスは訪れた。

 第11ゲームで初めてブレークポイントを握り、4度目のチャンスでついにブレークに成功した。ドルゴポロフはフラット系の強打とスピードを武器にし、一筋縄ではいかない攻撃的な選手。クレーコートでは今回が初対戦だったが、過去4戦全勝の相性の良さを発揮。気落ちした相手に対し、第2セットは1ゲームも与えずに決着をつけた。

 この日は自らのブログで、熊本の避難所に「自分も使っている」マットレス1000枚を送ることを明かした。「まだまだ数は足りないかもしれませんが、一人でも多くの人の体を休められるのに役立ってもらえばと思います」と被災地支援に乗り出し、「もう少しの間みなさんには踏ん張ってこの苦難を乗り越えてほしいです。たくさんの子供たちの笑顔が見られるように僕もテニスコートに全力で向かいます」と思いを記した。

 宣言通りのプレーで準決勝に進み、準決勝ではペアと対戦する。まさかの初戦敗退を喫した昨年8月の全米オープンで敗れ、同10月の楽天ジャパン・オープンでも返り討ちに遭った。準決勝も全力で。天敵を打ち破れば3連覇がぐっと近づく。

 ▼錦織 きょうは厳しい試合だったが、満足している。セットポイントでもしっかり守れて、キープしてから気持ちが楽になって吹っ切れた。

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