ボルト 200で流して2冠!19秒55圧勝もセグウェイにひかれた

[ 2015年8月28日 05:30 ]

男子200M決勝を制するボルト(左はガトリン)

世界陸上第6日

(8月27日 中国・北京)
 無敵だ。男子200メートル決勝はウサイン・ボルト(29=ジャマイカ)が19秒55の今季世界最高タイムを出し、大会4連覇を達成。苦手のスタートをきれいに決めると、ジャスティン・ガトリン(33=米国)を寄せ付けなかった。100メートルに次ぐ勝利で世界選手権の金メダル数は大会最多記録の10個に到達。29日の男子400メートルリレーで2大会連続の3冠に挑む。

 200メートルで地球上に敵はいない。ボルトがそれを証明した。苦手のスタートで飛び出ると、コーナーを抜けてさらに加速。100メートルで0秒01差の接戦を演じたガトリンに並ぶことを許さなかった。最後は両手親指で自分の胸をさしながらのゴール。「俺だ、俺だ、俺だ」と、強さを誇示しての大会4連覇を果たした。

 「凄く幸せだ。君たちに言っただろ?俺はやると。この種目で4個目の金メダルを獲ったことは凄いことだと思う」

 世界から向けられていた疑念の目を一笑に付した。19秒19の世界記録に及ばないとはいえ、19秒55は今季世界最高。「この種目になると自分はよりプロ意識が強くなる。だからいつもうまく乗り切ってきた」。100メートルに続いて“最も得意とする種目”も勝ち、世界選手権での金メダルを通算10個とした。五輪を含めた世界大会でのこの種目の連勝は6に伸びた。

 残る種目は、2大会連続の3冠が懸かる29日の男子400メートルリレー。ただし、大手ブックメーカーのオッズは米国の1・73倍に対し、ジャマイカは2・38倍と分が悪い。200メートルのレース後は「どんな走順になるか分からない。あしたミーティングがある。そこで決まる」と話すにとどめた。

 今季は骨盤の仙腸関節を痛めた影響で、あまりレースに出場できなかった。鳥取市でのジャマイカ代表の直前合宿は急きょキャンセル。チームのワッツ代表は「治療が長引いた」と説明していた。今大会はここまで100メートルと200メートルを合わせてすでに6レースを消化。29歳の体力面が気にかかる。しかも、ゴール後はジャマイカ国旗を身にまとってのウイニングランの最中に、後方にいたカメラマンのセグウェイが倒れて巻き込まれ、転倒。左のふくらはぎに裂傷を負うシーンもあった。

 だが、「大丈夫。疲れはもちろんあるけど最後も気合を入れて頑張る」と問題ないことを強調した。再び世界をあざ笑う快走で締めくくる。

【男子200メートル】
(1)ボルト(ジャマイカ) 19秒55
(2)ガトリン(米国) 19秒74
(3)ジョボドワナ(南アフリカ) 19秒87
[世]ボルト(ジャマイカ) 19秒19
[日]末続 慎吾 20秒03

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