男子マラソン惨敗…宗猛部長バッサリ「若手に期待」

[ 2015年8月23日 05:30 ]

<世界陸上北京大会・1日目>21位でゴールした藤原

世界陸上第1日

(8月22日 中国・北京)
 最初の決勝種目の男子マラソンで日本勢が惨敗した。藤原正和(34=ホンダ)が2時間21分6秒で21位、前田和浩(34=九電工)が2時間32分49秒で40位に沈んだ。日本勢が8位入賞を逃したのは97年アテネ大会以来9大会ぶり。今大会でのリオデジャネイロ五輪代表も決まらず、日本陸連の宗猛男子マラソン部長(62)は“現有戦力”にダメ出しした。19歳のギルメイ・ゲブレスラシエ(エリトリア)が2時間12分28秒で最年少優勝を飾り、同国に史上初の金メダルをもたらした。

 世界との差をまざまざと見せつけられた。藤原が21位で前田が40位。真夏のレースでベテラン2人がごう沈した。日本選手が8位入賞を果たせなかったのは18年前のアテネ大会以来。今井正人(トヨタ自動車九州)の欠場で過去最少の2人だけの出場だったとはいえ、日本陸連の宗猛マラソン部長は男子マラソン界をばっさりと切り捨てた。

 「世界と凄く力の差を感じた。若手に期待したい。若くて勢いある選手がマラソンに挑戦して、そこから暑さに強い選手を選べばまだチャンスはあると思う。今いるマラソン選手では厳しい」

 見せ場すらなかった。午前7時34分のスタートから強い日差しを受け、スローペースのまま20キロで20人ほどが先頭集団を形成した。藤原がついていけたのはこの中間付近まで。前田は19キロ付近で両太腿にけいれんを起こし大失速した。紫禁城など歴史的名所が並ぶ序盤は足が動いても、気温の上昇とともに2人はペースダウン。レースの興奮が冷め切った鳥の巣へおとなしく帰還した。

 世界記録保持者のキメトを筆頭に25人が途中棄権した悪条件。藤原はお手上げだった。「後半暑くなると思ったが、暑かったです。上げ下げの幅が大きくなってついていけなくなった」。前田は手のひらを冷やして体温の上昇を緩やかにする新兵器「コアコントロール」の効果を「最初の入りは練習と変わらなかった」と認めながらも、結果につなげられなかった。

 8位以内に入って先着した方が来年のリオデジャネイロ五輪出場に当確ランプをともせたが、かすりもしなかった。宗猛マラソン部長の言葉も厳しい。「淡い期待があった。ベテランなら、と。現実を突きつけられた。リオに向けてどう立て直すか考えないといけない」。出て来い、ニューヒーロー。マラソン・ニッポンの看板は失墜寸前だ。

続きを表示

この記事のフォト

2015年8月23日のニュース