世陸 競歩・鈴木雄介が途中棄権…恥骨炎症が影響「自ら判断」

[ 2015年8月23日 10:16 ]

<世界陸上北京大会・2日目>男子20キロ競歩を途中棄権し、悔しそうに引き揚げる鈴木雄介

 陸上・世界選手権第2日は23日、男子20キロ競歩が行われ、金メダルが期待された世界記録保持者・鈴木雄介(27=富士通)は途中棄権した。11キロ付近で突然、スピードを緩め、ストップ。両腕で「×印」をつくり、コースアウトした。

 鈴木は恥骨を炎症。今村コーチによると「このまま痛い中でレースを進めても、結果に結び付かないので、自ら判断した」という。

 最初にトラックを3周。地元・中国勢が先頭集団に立った。鈴木は5~6番手につけた。トラックを出ると、ロード。1キロの周回コースを18周。500メートルおきに折り返しがある。スタート時の気温は26・3度、湿度は61%。スタート前に小雨が降った。

 2012年ロンドン五輪の金メダリスト・陳定(23)が飛び出したが、5キロ手前で集団に飲み込まれた。5キロトップはポーレ(ドイツ)の20分10秒。7キロ手前、ポーレが飲み込まれ、再び集団になった。10キロ通過は40分21秒。鈴木は先頭集団でメダルを狙う位置につけていた。

 18日、羽田空港を出発する際、鈴木は「万全の状態ではなく、恥骨が炎症している」と故障を明かした上で「金メダルは最低限の目標。今の状況でも金は見えている。目標のブレはない」と話していた。

 患部に痛みが出たのは5月。7月のトラックの大会では5000、1万メートルで日本新を連発したが、これまで一度も失格したことがない美しい歩型にも異変が生じた。「歩型のズレはある。(7月の大会では)理想と違った。審判がどう受け取るか不安はある。失格になったら受け入れるしかない」と覚悟を決めていた。

 今年3月15日、全日本競歩能美大会で1時間16分36秒の世界新記録を樹立して優勝した。

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