錦織、チリッチに逆転雪辱!世界5位の貫録見せつけた

[ 2015年8月10日 05:30 ]

チリッチに逆転勝ち、天に向かってガッツポーズの錦織(AP)

シティ・オープン

(8月8日 米ワシントン)
 男子シングルス準決勝が行われ、世界ランキング5位の第2シード、錦織圭(25=日清食品)は世界8位で第3シードのマリン・チリッチ(26=クロアチア)に3―6、6―1、6―4で逆転勝ちし、この大会初の決勝に進んだ。昨年全米オープン決勝でストレート負けを喫したチリッチに雪辱。9日(日本時間10日)の決勝では今季3勝目、通算10勝目を懸けて世界18位の第8シード、ジョン・イスナー(30=米国)と対戦する。

 錦織がリベンジを果たした。チリッチとは昨年の全米オープン決勝で敗れて以来、約1年ぶりの再戦。2時間2分の熱戦を制し「タフな3セットだった。再戦のことは考えなかったが、勝てて良かった。自分のプレーに集中できた」と訴えた。

 失った第1セットはチリッチのサーブに苦戦し、追いかける展開。しかし、第2セットからは「もっと自分から打っていくようにして、リズムが変わっていった」と攻めのストロークを取り戻した。第2ゲームでチリッチのバック側を攻めてブレークに成功。勢いに乗って6―1と圧倒した。

 最終セットは先手を取った。第1ゲームでブレークを奪って先行。第8ゲームをダブルフォールトで落としたが、第9ゲームで再びブレークに成功。序盤に苦しめられたスライスサーブを攻略し、フォアの深いリターンを決めた。「コースを読んでいた。あのゲームはリターンが良かった」。フォア、バック両ハンドで鋭いコースに打ち分け、チリッチを撃破した。

 唯一気がかりなのは体の状態だ。左ふくらはぎ痛で途中棄権した6月のウィンブルドン選手権以来の復帰戦。錦織は第2セット第3ゲーム後にメディカルタイムアウトを取り左太腿のマッサージを受けた。「張りがあった。(決勝は)大丈夫と思う」と強調も、楽観はできない。次週からロジャーズ・カップ(カナダ・モントリオールほか)、ウエスタン・アンド・サザン・オープン(米シンシナティ)と連戦が続くだけになおさらだ。

 それでも夏の北米シーズン初戦で決勝に進んだことは、31日開幕の全米オープンに向け、大きな手応えとなったことは間違いない。決勝の相手は4月のマイアミ・オープン準々決勝で敗れたビッグサーバーのイスナー(米国)。「この世界ランキングになると(優勝500ポイントの今大会の格では)決勝に来ないと意味がない」。錦織には頂点しか見えていない。

 ▽14年全米オープン決勝 第10シードの錦織は第14シードのチリッチと対戦し、3―6、3―6、3―6とストレート負けを喫した。第1セットの第1ゲームで錦織はブレークチャンスをつかんだが生かせず、第6ゲームでブレークを許す。第2セットでも流れを変えられず、第3セットも先行された。初の4大大会決勝の緊張感にのまれた錦織は、「ここまで硬くなったのは久しぶりというぐらい試合に入り込めなかった。決勝という舞台で力が出せなくて非常に悔しい」と振り返った。

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