錦織 ストレートで2年ぶり初戦突破、完全アウェーはねのけた

[ 2015年5月25日 05:30 ]

全仏オープン男子シングルス1回戦でマチューを下した錦織(AP)

全仏オープンテニス第1日

(5月24日 パリ・ローランギャロス)
 男子シングルスで世界ランキング5位で第5シードの錦織圭(25=日清食品)がアウェーの雰囲気をはねのけ、4大大会初制覇へと滑り出した。元世界12位で現123位のポールアンリ・マチュー(33=フランス)を6―3、7―5、6―1で撃破。ホームの大声援を受けるベテランを退けて全仏2年ぶりの白星を手にした。女子シングルスでは土居美咲(24=ミキハウス)が全仏初勝利を挙げた。

 地元のマチューを鼓舞するように、何度も客席から手拍子が起きた。相手がポイントを挙げれば大声援。しかし、その喧騒(けんそう)の中で日本のエースは確実に勝利をつかみ取った。

 「いい気持ちで入れて、出だしからよかったと思う。しっかり1勝目ができて、うれしく思っている」

 第1セットは錦織が得意とするバックのストレートがさえ渡った。第3ゲームではリターンからチャンスをつくり、立て続けにバックのストレートで決定打を放ってブレークに成功。相手に一度もブレークポイントを与えず、危なげなくセットを奪った。

 とはいえ、地元の声援を受けるマチューも黙って引き下がらなかった。錦織は第2セット中盤に第1サーブの確率が急落。スピンを効かせた高く跳ねるボール、マチューの読みの鋭さにも苦しめられ、立て続けにブレークを許した。だが、このピンチでも慌てなかった。「集中力を高めてプレーできた」と振り返ったように、徐々にミスを減らして第12ゲームで相手のサービスゲームをブレーク。意気消沈した相手に対し、第3セットは一方的な展開だった。

 日本人初のトップ10を果たしたのが昨年5月。それから1年がたった。当初は違和感しかないと言っていたが「今はランキングを意識しなくても自分の位置はここだと思えるようになってきた」とトッププレーヤーの立場にも慣れてきた。「ここからは一歩一歩上を目指していければいい」と全豪に続いて4大大会自己最高シードで臨んだ今大会で、まずは初戦突破を決めた。故障明けのぶっつけ本番で初戦敗退に終わった昨年以上の活躍は間違いない。今の錦織は心身ともに準備は整っている。

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