白鵬 遠藤に綱の本領!初場所以来“因縁対決”で5戦全勝

[ 2015年3月3日 05:30 ]

荒々しい相撲で遠藤(左)に稽古をつける白鵬

 横綱・白鵬(29=宮城野部屋)とホープ遠藤(24=追手風部屋)が2日、大阪府堺市の尾車部屋で稽古した。5番取って白鵬が全勝。荒技を駆使して物議を醸した初場所6日目以来の“因縁の対決”で力の差を見せつけた。春場所(8日初日、大阪・ボディメーカーコロシアム)へ向けて、仕上がりは順調だ。

 期せずして実現した豪華な稽古だった。白鵬、遠藤とも宿舎が近くにあるのが、豪風らが所属する尾車部屋。あまり出稽古に出ない遠藤が今回初めて向かった先が同部屋で、白鵬もたまたま同じ日に訪れた。

 過去に場所前の出稽古で両者が胸を合わせたのは昨年の春場所(時津風部屋)と秋場所(春日野部屋)の2回しかない。今年初場所での対戦は、取組前に起きた観客の「遠藤コール」を聞いて熱くなった白鵬が張り手、かちあげと荒技を連発し「横綱らしくない」と物議を醸す一戦となった。

 そんな因縁があっただけに、白鵬が遠藤を相手に指名すると、両者に緊張感が走った。遠藤は鋭い立ち合いで力強く当たる。それを白鵬はがっちり受け止める。遠藤は前に出させてもらえない。最初の一番では押し出された遠藤は土俵外の壁に叩きつけられた。その後も寄り切り、叩き込み、再び寄り切り、左上手投げ。5番取って全て白鵬が圧倒した。遠藤は「ちょっと強すぎです。歯が立たない」と白旗を揚げた。

 白鵬は史上最多33度目の優勝を成し遂げた初場所後の審判部批判問題で、騒がしい日々が続いたが、調子は崩していないようだ。遠藤について「(豪風、嘉風らと)いい稽古してたんじゃないですか」と褒める余裕もあった。

 それを伝え聞いた遠藤は「そう思ってもらえるのは少し成長しているということ。自信を持っていきたい」と語った。本場所では過去4戦4敗。今場所の前頭5枚目では横綱とは通常対戦しない。だが、優勝争いに絡めば状況は変わる。ファンは本場所での2人の対戦を望んでいる。

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2015年3月3日のニュース