白鵬「えんどう!」コールにイラッ、遠藤激しく攻め無敗キープ

[ 2015年1月17日 05:30 ]

白鵬は遠藤に相撲を取らせず(1)張った!

大相撲初場所6日目

(1月16日 東京・両国国技館)
 大鵬を超えて単独1位の優勝33回を狙う横綱・白鵬は“和製ホープ”の遠藤を下し、6戦全勝とした。右のかち上げなど激しい攻めを連発して押し出し。遠藤コールを浴びせた館内に自らの絶対的な強さを誇示した。横綱・日馬富士も豊ノ島を小股すくいで下し、ともに無敗をキープ。平幕でただ一人無敗だった隠岐の海が敗れ、勝ちっ放しは2横綱だけになった。
【6日目取組結果】

 どんな相手にも無心で戦える境地「木鶏」を目指しているはずの白鵬が「狼」になった。取組直前まで館内でとどろいた“遠藤コール”によって心の中が煮えたぎり、立ち合いからいきなり右で張る。さらに、よろめいた相手が体勢を戻して再びぶつかってきた際にはエルボーのような強烈な右かち上げ。そして続けざまに相手の顔を目掛けて左で突いて出ようとした。ただ、それによって左脇がガラ空きとなって一時はもろ差しを許したが、そこはさすがの横綱。右に回り込んで崩すと最後は低い体勢で押し出し、無敗を守り抜いた。

 勝ち名乗りを受けても興奮は冷めない。37本の懸賞(手取り111万円)を両手で受け取ると、館内に自らの強さを示すかのようにグッと前に突き出した。支度部屋では「厳しい攻めでしたね」と尋ねられると「なんて?」と強い口調で聞き返し「厳しい攻めかどうか分からないけど、いい相撲を取ったと思う」と回答。遠藤コールが鳴り響いたことについては「燃えるというより意識はしなかったけど、どっかにあったんでしょうね」と心の揺れを認めた。

 土俵下で見守った伊勢ケ浜審判部長(元横綱・旭富士)も「ムキになっていた」と表情を読み取った上で「稽古をつけている感じ。危なげない」と力の差を指摘した。

 場所前には伊勢ケ浜一門の一部が集まって連合稽古が行われ、白鵬も参加したが、遠藤が所属する追手風部屋は呼ばれていなかった。稽古後、横綱は「遠藤は来なかったの?」と逆質問するなど明らかに意識していた。「(相手が)いい相撲を取ったんじゃないですか」。無心を貫くという信念を破ってまでも白星をつかみ取ろうとする“勝ち気”こそが優勝33回を本気で狙う白鵬の真の強さだ。

 ▼北の湖理事長(元横綱)白鵬はちょっとムキになって相撲を取っていた。だが、動きがいい。

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