箱根駅伝 山上り5区距離短縮も 比重高すぎる「特殊区間」

[ 2015年1月4日 05:30 ]

2日の往路でトップでゴールし雄叫びを上げる青学大・神野

第91回箱根駅伝

(1月3日 箱根・芦ノ湖~東京・大手町、復路5区間109・6キロ)
 来年1月2、3日の第92回箱根駅伝で、山上りの5区の距離が短縮される可能性があることが3日、分かった。

 06年に5区の距離が20・9キロから23・4キロ(再計測で現在は23・2キロ)に延長、4区が21キロから18・5キロに短縮され、今年でちょうど10大会が終了。今大会にも出場した、ある大学の監督は「区切りにするには、いいタイミングだと思う。これまでの監督会議でも、そういう話は出ている」と明かした。

 06年以降、5区は今井正人(順大)、柏原竜二(東洋大)と“山の神”と呼ばれた選手が快走。今大会も神野大地(青学大)が、驚異的なタイムでチームを優勝に導いた。主催者側は「5区を延長することでマラソン選手の育成や強化を図る」と05年に距離延長の理由を説明していたが、現時点で今井と柏原は実業団で大活躍しているとは言い難いのが現実。標高差が864メートルもあるマラソンコースも、世界の主要大会に存在しない。

 06年から5区の重要性が一気に増した。この10大会全てで、5区で区間賞を獲得した選手の大学が往路制覇。7度はそのまま総合優勝だ。「今の5区は特殊区間で全体の4、5割のウエートを占めている」と関係者は指摘する。4→5区の中継所だったかまぼこ店「鈴廣」の駐車場が工事中だったことも06年の距離延長の引き金とする見方もあるが、既に工事は終了。4、5区を以前の距離に戻すことは可能だ。

 関東学連の駅伝対策委員長を務める山梨学院大の上田監督は、5区の距離短縮の可能性について、「今は何も言えない」と含みを持たせた。関係者によると、今後も監督会議などで議題に上がるのは間違いないという。近年の風物詩だった“山の神”の降臨は、今年が見納めかもしれない。

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