錦織2勝!ラオニッチ直前棄権、補欠フェレールを逆転撃破

[ 2014年11月14日 05:30 ]

フェレール戦でガッツポーズする錦織

男子テニス ATPツアー・ファイナル第5日

(11月13日 英国・ロンドン)
 1次リーグB組の最終戦で、世界ランキング5位の錦織圭(24=日清食品)は同10位のダビド・フェレール(32=スペイン)を4―6、6―4、6―1のフルセットで下した。試合直前に本来の対戦相手だったミロシュ・ラオニッチ(23=カナダ)が右太腿の故障で棄権。急きょ決まった補欠のフェレールとの対戦にも動じることなく、経験豊富なベテランを下して通算成績を2勝1敗とした。

 1時間56分、フルセットを戦い終えた疲労感だけでなかったはずだ。バタバタした試合直前のハプニングを乗り越えての勝利に、錦織はホッとしたような表情を見せた。

 「フェレールはいつもタフな相手だけど、最後はほぼ完璧な試合ができた。対戦相手の変更は試合の1時間前に聞いた。そこから戦術を変えて、難しい試合だった」

 突然のアナウンスがあったのは試合開始の90分前だった。ラオニッチが11日のA・マリー戦で痛めた右太腿の軽い肉離れを理由に棄権を表明。補欠で控えていたフェレール(スペイン)に切り替わった。フェレールとは今季すでに3度対戦。特に10月31日のマスターズ・パリ大会では、この最終戦の出場権を懸けて直接対決があった。錦織が勝って確定させ、フェレールが脱落するという因縁の相手でもあった。

 相手が変更になった時点で錦織はすでにセンターコートでの直前練習も終えていた。強力なサーブを武器にする1メートル96のラオニッチと、粘り強く球を拾いストローク力もある1メートル75のフェレールではタイプが全く異なる。前日からつくり上げていたゲームプランも直前で変えざるをえなかった。

 錦織が左右に振っても、フェレールはしぶとく返球してくる。相手サーブへのリターンがカギになるはずだったラオニッチとの戦いとは異なり、やはりラリーの続く展開になった。だが、これまでの2戦よりも錦織はサーブが好調。攻撃的なショットもコースを突いてよく決まり、徐々にフェレールを追いつめていった。

 第1セットは落としたものの、第2セットは第1ゲームでブレークしたリードを保ったまま奪い返した。最終セットでは疲れの見えてきたフェレールをさらに攻め立て、第1ゲームから立て続けにブレークに成功。最終セットまでもつれた試合では過去20勝2敗とツアーNo・1の勝負強さ。そのデータ通りのタフネスを見せつけた。

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