B・ワトソン360ヤードの衝撃パー4ワンオン目前ぶっ飛び首位

[ 2014年11月14日 05:30 ]

6番、富士山を背に第2打を放つバッバ・ワトソン

男子ゴルフツアー スポニチ後援三井住友VISA太平洋マスターズ第1日

(11月13日 静岡県御殿場市 太平洋クラブ御殿場コース=7246ヤード、パー72)
 世界ランク3位のバッバ・ワトソン(36=米国)が驚がくのバーディーラッシュで首位に立った。世界屈指の飛距離を武器に7バーディー、1ダブルボギーで67をマーク。藤田寛之(45=葛城GC)ら3人とトップに並んだ。1Wで360ヤードをぶっ飛ばし、15番パー4はもう少しでワンオン。マスターズ2勝の実力を見せつけた。石川遼(23=CASIO)は73で40位と出遅れた。
【第1R成績】

 富士の麓に衝撃が走った。追い風が吹く378ヤードの15番パー4。ピンクの1Wを握った左利きのB・ワトソンは右足をヒールアップして体を捻転するとエネルギーを一気に放出。風を切り裂く中弾道はグリーン手前の傾斜に突き刺さる360ヤードの超ビッグドライブだ。前の組でパターを構えていた池田がアドレスを解くと、福田キャディーは手を振り、プレー中のサイン。池田と回っていた藤田は「後ろから来る恐怖にも気を付けないと」と苦笑した。

 そんな騒動も知らない1メートル90の男は、ピンまで残り14ヤードからウエッジで1・5メートルに寄せてバーディー。7バーディーのうち、4つがパー4で、2打目は全てウエッジを持つパワーゴルフ。6打差をつけられた同組の石川が「1Wの飛距離は異次元。トーナメントを引っ張る存在になる」と認めると、谷原は「俺らの保護者みたい。後ろから付いていくカルガモの親子だよ」と頭をかいた。そして首位に立ったB・ワトソンは「全体的にはOKなゴルフ」と及第点を与えた。

 05年以来、9年ぶりの来日で圧倒的な存在感を示した。米下部ツアーで422ヤードを飛ばした記録を持ち、かねて飛距離で名をはせた。06年から米ツアーに参戦し、頭角を現したのは10年。この日平均パットが全体1位の1・416だったように小技に磨きが掛かり、同年のトラベラーズ選手権で初優勝。12、14年のマスターズでも勝ち、岩田が3位に入った先週のHSBCチャンピオンズで米ツアー7勝目。絶好調で乗り込んだ日本ツアーで最高のスタートを切り「富士山がよく見えて凄く特別な場所と思う」とテンションも上がった。

 マスターズ覇者が同年のこの大会に出場するのは11年のC・シュワーツェル以来3年ぶり7人目。しかし、N・ファルドやJ・M・オラサバルという世界的名プレーヤーでさえ“ダブル戴冠”を果たした例はない。独特なスイングを極め、世界3位の実力を誇る男は「大事なことはクラブフェースの真ん中にボールを当てること」と確実に芯を捉えるパワーで頂点を目指す。

 ◆バッバ・ワトソン(本名ジェリー・ワトソン)1978年11月5日、米フロリダ州出身の36歳。ジョージア大を出て24歳でプロ転向。バッバは米国で体の大きな長男につく愛称。昨季ドライビングディスタンスは314・3ヤードで米ツアー1位。ピンクに染めた1Wで300ヤード超えにつき300ドル(約3万5000円)をがん撲滅基金に寄付している。家族はアンジー夫人と長男カレブくん。1メートル90、82キロ。

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2014年11月14日のニュース