奨菊カド番脱出どころか初優勝頂きだ!日本人Vなら8年半ぶり

[ 2014年7月26日 05:30 ]

美女と記念写真におさまりニンマリする琴奨菊

大相撲名古屋場所13日目

(7月25日 愛知県体育館)
 大関・琴奨菊は鋭い出足で大砂嵐を圧倒して2敗を守った。1敗で単独首位だった横綱・白鵬が大関・稀勢の里に敗れたため、平幕の高安と3人が優勝争いのトップに並んだ。13日目を終了して首位に3人が並んだのは、旭天鵬が平幕優勝した12年夏場所以来。琴奨菊は14日目は高安との直接対決で、8年半ぶりの日本出身力士優勝へ、生き残りを懸けた大一番に臨む。
【取組結果】

 果報は風呂に入って待て、だった。2敗を守って引き揚げた琴奨菊が風呂から上がると、モニターに結びの取組が映し出された。白鵬が土俵下に落ち、自身が再び優勝争いのトップに並んだ。その瞬間、湯上がりで火照った顔がさらに上気した。「悔いのないように精いっぱいやる。今までも、そうやってきたから」。琴奨菊は冷静になるよう自らに言い聞かせた。

 出番では、今場所金星2個と大暴れしているエジプト出身のホープを圧倒した。鋭い踏み込みで大砂嵐のかち上げを無力化すると同時に右差し。直後の引き技にも素早く足を運んで、最後は右腕一本で押し出した。「良かった。立ち合いから怖がらずにいけた。しっかり反応している」と自賛した。土俵下で見届けた朝日山審判長(元大関・大受)は「全く相手にしなかった。体勢が崩れないし、足の運びもいい」と絶賛。北の湖理事長(元横綱)は「カド番で頑張っていたが、だんだん良さが出てきた」と数日前までの“優勝圏外”という扱いを修正した。

 14日目は本来の対戦予定を変更する“割崩し”で高安と2敗同士の直接対決となった。06年初場所の栃東以来8年半ぶりの日本出身力士Vに向け、生き残りを懸けた大一番。「先を見てもしょうがない。一日一番」と表情を引き締めた。

 地元の福岡県柳川市では後援会が残り2日間、パブリックビューイングを開催すると急きょ決定した。大関昇進を決めた11年秋場所以来の応援態勢を整えた。場所前の6月に佐渡ケ嶽部屋にゆかりのある香川県の金刀比羅宮へ参拝。雪駄(せった)の鼻緒が切れても約1400段を踏破して、諦めない心を練った。その成果が最後の2日間で試される。

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2014年7月26日のニュース