桐生9秒台へ“科学のメス” 異例!世界Jrにデータ分析チーム派遣

[ 2014年7月3日 05:30 ]

桐生の走りを分析する科学委員会が派遣される

 日本陸連が、22日に開幕する世界ジュニア選手権(米オレゴン州ユージン)に科学委員会を派遣することが2日、分かった。同委員会は過去、世界選手権などへの派遣はあるが、世界ジュニアは初。男子100メートルで桐生祥秀(18=東洋大)が9秒台をマークした際の詳細なデータ分析だけでなく、世界ジュニア記録の9秒97を持つトレイボン・ブロメル(18=米国)ら海外のライバルも徹底的に解剖する。

 会場は日本陸連の伊東浩司・男子短距離部長が「2メートルの追い風が吹くような、100メートルにとっては最高のトラック」と言う世界屈指の高速トラックで、桐生が9秒台に突入する可能性は十分。また、世界ジュニアに出場する世代(20歳未満)は20年東京五輪で主力を形成する。6年後を見据え、海外勢のデータを取ることも目的だ。将来的に世界のトップを狙う桐生とブロメルは、今大会でも頂点を争う。日本陸連関係者は「別々の大会で2人のデータを取るよりも同じ条件、同じトラックで取ったデータは価値が高い」と話した。

 桐生は6月の日本選手権で初優勝も、違和感のあった右足底部の状態を考慮し、日本学生個人選手権(200メートル)と布勢スプリントを回避した。基礎的なトレーニングからリスタートし、世界ジュニアに向けては「同世代との勝負になるんで、勝ちたい」と気合を入れている。100メートル決勝は23日(日本時間24日)。日本初の9秒台で、ワンダーボーイが世代最速の称号を手に入れる。

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2014年7月3日のニュース