真央 集大成へ準備完了!年明け墓前に誓い“母と跳ぶ”

[ 2014年2月19日 05:30 ]

リプニツカヤ(右)の横で練習する浅田

 母とともに跳ぶ。ソチ五輪フィギュアスケートの女子ショートプログラム(SP)は19日(日本時間20日午前0時~)に行われる。金メダルを目指す浅田真央(23=中京大)は18日、本番会場で公式練習に参加し、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を2度決めた。ソチ入りする前には11年12月に亡くなった母・匡子(きょうこ)さん(享年48)の墓前に手を合わせてきたことも判明。最愛の人への思いを胸に秘め、集大成の夢舞台に立つ。

 決戦へ勢いをつけるように、浅田が跳んだ。SP前日、18日に本番会場で行われた公式練習。トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を1度決めた後、続く2回のアタックはともに1回転半の大失敗に終わった。このままでリンクを去るわけにはいかない。3回転フリップ、3回転ループを跳んだ後、また大技の助走へ。ほぼ完璧な着氷を見せると、関係者から拍手が起こった。本番へ準備が完了した。

 悔し涙を流したバンクーバー五輪から4年。佐藤信夫コーチに師事し、全てのジャンプを見直してきた。全くトリプルアクセルを跳べなくなり、プログラムから外したこともあった。「バンクーバーの時は小さい頃からの夢だった初めての五輪で待ちに待った感じ。バンクーバーからソチまでは、凄く早かったと思う」。11、12年は世界選手権で自己ワーストの6位に沈んだ。12年のシーズン後にはスケートをやめようと思ったこともある。いろんなことがあったから、この4年間はすぐに過ぎ去った。

 11年12月9日、最愛の母・匡子さんが48歳の若さで亡くなった。ずっと支えてくれた、いつもそばにいてくれた、浅田にとって一番大切な人だった。深い悲しみを乗り越えてたどりついた2度目の夢舞台。母への思いを胸に秘め、最高の演技をすると決めている。五輪イヤーが始まった14年の年明け。浅田は、愛知県内にある母が眠る墓地に足を運んでいた。

 8日の団体SPではトリプルアクセルで転倒して3位に終わったが、コンディションが悪いわけではない。「気持ちの部分で負けてしまった」と振り返った浅田は、「自分の演技に集中して、“できる”という気持ちを持ってやることが大事」と力を込める。まずはSP「ノクターン」の2分50秒に集中。「練習してきたし、それを信じていけば大丈夫」。準備は整った。柔らかなピアノの旋律に身を任せ、浅田の集大成のアタックが始まる。

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2014年2月19日のニュース