羽生金もらった!五輪デビューで「褒めていい」1位

[ 2014年2月8日 05:30 ]

華麗な演技を見せる羽生

ソチ五輪 フィギュア 団体男子SP

(2月6日)
 ソチ五輪は7日夜(日本時間8日未明)、ロシア南部ソチのフィシュト五輪スタジアムで開会式が行われ、開幕した。開幕に先駆けて行われた6日のフィギュアスケート団体男子ショートプログラム(SP)では、羽生結弦(ゆづる、19=ANA)が97・98点で1位。憧れの06年トリノ五輪金メダリストで、ロシアの皇帝と呼ばれるエフゲニー・プルシェンコ(31=ロシア)、世界王者のパトリック・チャン(23=カナダ)を上回り、13日SP、14日フリーの個人戦に弾みをつけた。

 19歳の若武者が、ほぼ完璧な五輪デビューを飾った。「凄く緊張した」と夢のリンクの感触を振り返った羽生は「足が震えずに全力で滑り切れたのは自分自身、褒めてあげてもいい」と充実の汗を拭った。日本のメダル獲得のためにも1位が欲しかった男子SPで、97・98点のトップ。「日本のために(順位点で)10点を取れたのは、ホントにホッとした。僕だけのスケートじゃないので」。自己ベスト99・84点には及ばなかったが、きっちり責任を果たした。

 今大会から採用された団体。リンク外に設置されたチーム席からは、浅田らが声援を送っていた。「声は聞こえたし、テレビの前で応援してくれる方の声も聞こえた気がした」。冒頭の4回転トーループを完璧に決めると、ステップからの難度の高いトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)も成功。3―3回転の最初のジャンプでやや軸が傾いたが何とか踏ん張った。「五輪の魔物も見えていたけど、それにとらわれずにやるべきことをできた」と納得の表情だ。

 世界選手権3連覇中のチャンだけでなく、五輪を目指すきっかけを与えてくれた憧れのプルシェンコも超えた。「僕にとっては彼が一番。一緒に滑れたことが光栄でした」と言う19歳は、プルシェンコを指導するミーシン・コーチの評価も高い。同コーチはロシアのテレビ局のインタビューに「(羽生は)プルシェンコと同様、その非凡な才能によって歴史に残る選手だろう」と答えている。羽生を指導するオーサー・コーチも「これからは彼(羽生)の時代がやってくる!」と絶賛だ。

 団体の出番を終え、13日の男子SPに向けた調整がスタートする。団体と個人戦の間に日数が開くことを懸念する声もあるが、「逆にいいオフになるんじゃないかな。別の試合として考えられる」と19歳は意に介さない。「(団体は)全力だったけど、まだMAXの演技じゃない。ここから1週間、自分にできることをしていきたい」。フィギュア勢の先陣を切って見せつけた、黄金のポテンシャル。団体での好演技は、新皇帝誕生への序章に過ぎない。

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2014年2月8日のニュース