兄は十両力士 日川SH山口泰主将が全6トライ起点

[ 2013年12月31日 05:30 ]

<日本航空石川・日川>前半、パスを出す日川・山口泰(手前)

第93回全国高校ラグビー大会2回戦 日川34―5日本航空石川

(12月30日 花園ラグビー場)
 がっぷりに組めば簡単には負けない。Bシードの日川が白星発進。山口泰主将は「初戦だったので最初は浮足だった。気持ちが前に出すぎて体が付いてこなかったが、だんだん落ち着けた」と笑顔で振り返った。

 立ち会い負けした。前半3分に先制トライを許した。焦りからか小さなミスが重なり、手詰まりの状態が続いた。初得点は同16分、ゴール前のスクラムで山口泰の球出しから左に展開してFB盛田(3年)が同点トライ。その後はトライを重ねて突き放し「入りが硬かったが、巻き返せた点は成長できたと思う」と話した。

 兄の大喜鵬と同様、山口泰自身も小学校時代は相撲とラグビーの二刀流。両国国技館の土俵で相撲を取った経験もある。中学入学と同時にラグビー一本に専念したが「相撲で足腰が鍛えられた。今でも股割りはできるし、体も柔らかい。役立っています」と体の基礎は相撲でつくった。低い姿勢で行うスクラムやラックからの球出しは、まさに四股と同じ体勢。この日の全6トライを奪ったバックスの展開攻撃の起点となったのは、全て抜群の安定感を誇る山口泰の球出しだった。

 兄の取組については「見たことないですね。相撲は立ち合いまでの時間が長いので嫌い」と笑う。「ラグビーは勝ったらみんなで喜び合えるから好き」いう山口泰が目指すのは、悲願の初日本一だ。

 ◆山口 泰弘(やまぐち・やすひろ)1995年(平7)6月29日生まれ、東京都出身の18歳。東京都越中島小時代は江東ラグビースクールでラグビー、江東青龍館で相撲に取り組み、北中野中からラグビーに専念。11年4月、日川高に入学した。3人兄弟の長兄・貴弘さんは国学院久我山3年の04年度大会で全国ベスト8のメンバー、次兄・雅弘は大相撲十両の大喜鵬。1メートル68、71キロ。

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2013年12月31日のニュース