当選無効 室伏はJOCの「犠牲者」…CAS裁定、詳細公表

[ 2013年6月19日 09:08 ]

室伏広治

 昨年のロンドン五輪で行われた国際オリンピック委員会(IOC)選手委員選挙で陸上男子ハンマー投げの室伏広治(ミズノ)が当選無効とされた問題で、スポーツ仲裁裁判所(CAS)は18日、室伏と日本オリンピック委員会(JOC)の提訴を却下した裁定の詳細な内容を公表し、室伏は過剰な選挙活動で違反を犯したJOCの「犠牲者だった」と、JOCの責任を厳しく指摘した。

 裁定によると、IOCは(1)室伏への投票を呼びかける記述が入った投票手順書の日本選手団への配布(2)室伏の名前入り携帯電話クリーナーの配布(3)選挙活動が禁じられた食堂での室伏の行動―を理由に室伏の候補者資格を取り消した。中でも(1)が「重大」と見なされたが、手順書はJOCが作成、配布し室伏は関与していなかった。CASは結論で「室伏の行為は不正を意図したものではなかった」と明記した。

 室伏の得票は2368票で、1位当選者の2295票を上回っていた。

 CASは5月22日に室伏とJOCの訴えを退けた。(共同)

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2013年6月19日のニュース