中嶋 最年長V王手!さあ松山と“トミーとマツ”対決

[ 2013年6月2日 06:00 ]

11番 ラインを読む中嶋

男子ゴルフツアー ダイヤモンド・カップ第3日

(6月1日 茨城県東茨城郡大洗町 大洗ゴルフ倶楽部=7190ヤード、パー72)
 58歳の中嶋常幸(フリー)が国内ツアー最年長優勝に王手をかけた。16位から出て、1イーグル、5バーディー、1ボギーの66と爆発。通算8アンダー、208で、68をマークした21歳のルーキー、松山英樹(東北福祉大)と並んで首位に立った。37歳差の“トミーとマツ”対決となる最終日。中嶋は尾崎将司(66=マックス・インターナショナル)が02年の全日空オープンで記録した55歳の最年長優勝記録更新に挑む。
【第3R成績】

 今を時めく21歳松山の前に大きく立ちはだかったのが、3回り以上も年上の58歳、トミーこと中嶋だった。2番パー5で波に乗った。同組の宮本と甲斐がともにチップインでバーディーとイーグル。「プレッシャーがかかった」というが、自らも残り12ヤードをチップインしてイーグルを奪った。「ショットが大きく曲がることもなくピンチはなかった。パターもよく入った」と8メートルを沈めた7番からの3連続を含む5バーディー。15番でボギーを叩いたが、3日目ベストの66で、松山と並んでトップに立った。

 ツアー首位は最後に優勝した06年三井住友VISA太平洋マスターズ以来。「出来過ぎ。自分でも驚いている」と語るが、今大会との相性はいい。前身大会も含めて優勝4回を誇り、難コースとされる大洗でも1勝。前回、大洗が舞台だった09年も2位で最終日を迎え、9位と奮闘した。

 孫4人の「ジイジ」はたくましい。10年1月に交通事故に遭い、痛めた右膝の全治に2カ月を要した。運動を控えると、体重が95キロまで増加。だが、膝への負担軽減と切れを取り戻すためこの1年間で「メタボ」からベストの83キロに戻した。右膝に月2度の注射を欠かせないが、1Wは今なお平均280ヤード。シニア世代はつるやオープンでの尾崎将のエージシュート、井戸木の全米プロシニア優勝とビッグニュースが続いている。中嶋は「初日のエージシュートじゃなくて3日目(の首位)だから」と尾崎将に対抗心を見せたが、勝てばその尾崎将の55歳7カ月29日を抜いて、58歳7カ月13日でのツアー最年長優勝となる。

 松山との最終組対決。スタート前に「“俺を誰だと思ってるんだ”と言ってやる」とプレッシャーをかける秘策を明かして笑わせた。口が滑らかなのは優勝争いを楽しんでいる証拠。最後は「自分の戦いに集中する」と勝負師の顔で締めくくった。

 ▼噂の刑事トミーとマツ 1979年から82年までTBS系で放送されたコメディー刑事ドラマ。気が弱いトミー刑事(国広富之)とケンカっ早く短足のマツ刑事(松崎しげる)がコンビを組み、難事件を解決していく。「トミコ」の掛け声でトミーが変身し、悪党を退治するのが最大の見せ場。2度シリーズ化されるなど絶大な人気を誇った。

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2013年6月2日のニュース