藤田“超大穴”優勝オッズ501倍も…“頭”で勝負だ

[ 2013年4月11日 06:00 ]

6番グリーンで、色鮮やかなつつじをバックにパット練習する藤田寛之

11日開幕 マスターズ

(米ジョージア州オーガスタ・ナショナルGC)
 ゴルフの祭典、マスターズは11日に米ジョージア州オーガスタのオーガスタ・ナショナルGCで開幕する。日本の賞金王・藤田寛之(43=葛城GC)は9日、ツアー21年目で自身初のイメージトレーニングを行い2度目のマスターズに臨むことを明かした。右肋骨の疲労骨折を乗り越えての晴れ舞台。周囲の評価は極端に低いが、経験豊富な中年の星が頭脳をフル回転させてモンスターコースに挑戦する。

 アウト9ホールを回った公式練習日2日目。43歳の藤田は300ヤードを超える飛距離こそないものの正確なショットでグリーンを捉えた。師匠・芹沢信雄の助言でショットを大幅に修正した。「ロブショットのやり過ぎ」によってインパクトでフェースが開き気味だったが、閉じる意識を持つことで精度は高まっていった。

 好調なショットに得意の小技があれば鬼に金棒と言えるが、一筋縄ではいかないのがマスターズだ。ガラスのように硬くて速いグリーンを攻略するにはコースマネジメントがポイントとなる。「8試合分のピンシートがあるので、(借家で)テーブルの上にメモを置いてイメージトレーニングをやろうと思う」

 ツアー21年目で行う初のイメトレが藤田を初の決勝ラウンドへと導くカギとなる。1日にオーガスタ入りしてからこの日が6度目のラウンド。「落としどころは決まってきている」とコースの形状を頭に叩き込み、第2打でグリーンを狙いやすい場所へティーショットを運ぶプランだ。また、グリーンを外しても、ケガの少ない方向であれば持ち前の小技が生きてくる。飛ばないが小技でスコアメークする自分らしいプレーを目指す。

 英国の大手ブックメーカー「ウィリアム・ヒル」によるマスターズ優勝オッズは、本命のタイガー・ウッズ(米国)の5倍に対して藤田は何と501倍。石川の301倍よりも低評価で、日本の賞金王はメジャーでは超穴馬扱いだ。それでも「大きな壁を一発で破ることはできないが、知らないうちに壁を破っているような感じにしたい」と冷静に話した。イメトレは単なるコース攻略のためだけではない。グリーンジャケットに通ずる道までの「大ドンデン返し」が、藤田の頭には描かれている。

続きを表示

この記事のフォト

2013年4月11日のニュース