当真父子3人引っ張った!コザ23大会ぶり初戦突破

[ 2012年12月28日 06:00 ]

<コザ・関商工>後半17分、相手守備陣を振り切ったコザ・当真皐は舌を出してインゴールに向かう

第92回全国高校ラグビー大会1回戦 コザ35―21関商工

(12月27日 東大阪市・花園)
 1回戦8試合が行われ、当真(とうま)父子が引っ張るコザ(沖縄)が、関商工(岐阜)に35―21で勝ち、23大会ぶりの初戦突破を決めた。父・豊氏(45)が監督を務め、高校日本代表候補の長男、WTBの皐=こう=(3年)が70メートルの独走トライを決めるなど期待通りの活躍。相撲から転向した次男、プロップの琢=たく=(1年)も力戦奮闘して勝利に貢献した。花園で41大会ぶりとなる得点を挙げた遠軽(北北海道)が、70―7で坂出工(香川)に大勝した。

 試合後に親族一同そろっての記念撮影。10人以上集まった中心に当真監督の満面の笑みがあった。レギュラーの息子2人がしっかりと活躍。「親子3人で勝てるとは夢にも思ってなかった」と喜びもひとしおの初戦突破だった。

 予想外の夢が実現したきっかけは、琢の心変わりだった。幼稚園から始めた相撲では、沖縄王者としてわんぱく相撲の全国大会にも出場するほどの実力者。だが、兄だけでなく2人の弟もラグビーをしており、「一緒に話がしたかった」と自らも高校入学前にラグビー部入りを志願した。

 「相撲をやっていたからスタメンにも入れた。相撲には感謝してます」。憧れの存在は日馬富士からトンガ代表プロップのS・タウマロロに代わった。140キロあった巨体が115キロまで絞れても、力強い“ぶちかまし”は健在だ。1年生からレギュラーをつかみ、高校九州代表にも選出。「初めての花園でガチガチだった」という序盤から次第に落ち着きを取り戻し、持ち味の押しの強さで相手を食い止めた。

 そんな弟に「やっぱり頼れるお兄ちゃんだと思った」と言わしめたのが、高校日本代表候補の皐だ。後半17分には40メートル、同32分には豪快に70メートルを駆け抜けてトライ。監督からは「おまえが華になる必要はない」と言われていたが、当たられてもひるまない力強い走りは抜群の存在感だった。

 当真兄弟だけでなく、高校日本代表候補のSH比屋根や3トライを挙げたWTB狩俣らも力を発揮した。コザにとって初戦突破は23大会ぶりだが、その時は引き分け抽選によるもので、花園での白星は実に28大会ぶり。「親子3人一緒の大会はこれが最後。悔いが残らないように自分の仕事をやりきりたい」(皐)。父子鷹の強い結束力がコザをけん引する。

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