理恵圧勝V!史上初3きょうだいで五輪代表決定

[ 2012年5月6日 06:00 ]

体操NHK杯の床運動で華麗な演技を見せる田中

体操NHK杯最終日

(5月5日 東京・国立代々木競技場)
 3きょうだいで夢切符をつかんだ。ロンドン五輪代表の最終選考会を兼ねて男女個人総合が行われ、女子は体操界のアイドル・田中理恵(24=日体大研究員)が全日本選手権の持ち点と合わせ合計224・150点で1位となり、初の代表を決めた。田中はNHK杯も55・650点で初優勝し、4日間の選考全てでトップ。男子で兄の田中和仁(26=徳洲会)が1位、弟・佑典(ゆうすけ、22=コナミ)が鉄棒で選考基準を満たし、体操初の3きょうだい五輪代表に決まった。

 最後の着地もピタリと止めた。最終種目の床運動、ピンクパンサーのムーディーな音楽が終わると、理恵にスマイルが浮かぶ。合計点で2位・美濃部に7・500点差をつけて初の五輪代表を射止めた。「うれしい気持ちでいっぱい。(表彰式では)自分で“良くやったな”と感じた」。自身の演技後は観客席で和仁、佑典に声援を送った。3きょうだいでの夢切符。「凄すぎて、よく分からないです」と大きな瞳が潤んだ。

 4月の全日本選手権の2日間、今大会の2日間、計4日の五輪レースでほぼ完璧な演技を見せた。10代でピークを迎える体操界では、異例の遅咲き。和歌山北高時代に伸び悩み、「基本練習ばかりやっていた」という過去が今に生きている。技の難度ではなく完成度で勝負し、ベテランの味を見せつけた。

 日体大3年だった08年NHK杯が体操人生を変えた。北京五輪の代表最終選考会でミスはあったものの、8位に食い込んだ。「もうちょっと頑張れば五輪に行けるってモチベーションになった。そこから私の体操人生は始まった」。09年ユニバーシアードで日の丸を背負うと、10年世界選手権では美しさの象徴・エレガンス賞をゲット。昨年の世界選手権は和仁、佑典と代表に入り、ロンドンでの3きょうだい代表を視界に捉えていた。

 ルックスにばかり注目が集まっていたが、ロンドンは名実ともにエースとして臨む。3きょうだいが同時に演技する夢舞台は、理恵にとって最後の五輪になる。昨年の世界選手権の団体総合では、予選5位通過と健闘したものの決勝では7位。「チーム一丸となって、5位より上に行きたい気持ちを持って、みんなと頑張っていきたい」。視線の先にあるのは、64年東京五輪銅メダル以来、48年ぶりの表彰台。輝く理恵スマイルを、夢舞台で披露する。

◇体操女子ロンドン五輪代表争い最終成績◇
(1)田中 理恵(日体大研究員)224.150
(2)美濃部ゆう(朝日生命)216.650
(3)寺本明日香(レジックスポーツ)216.200
(4)鶴見 虹子(日体大)215.150
(5)新竹 優子(羽衣国際大)215.050

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