川内 あくまでも“市民ランナー流”で五輪目指す

[ 2011年9月6日 06:00 ]

男子マラソン団体で獲得した銀メダルを手にする川内

 陸上の世界選手権(韓国・大邱(テグ))に出場した日本選手団の本隊が5日、成田着の航空機で帰国。男子マラソンで18位になり、日本の団体戦銀メダルに貢献した川内優輝(24=埼玉県庁)は、あくまでも市民ランナーとしてロンドン五輪を目指す考えを明かした。すでに10月30日の大阪マラソンにエントリーするなど、半年間で4レースに出場する驚異的なスケジュールで五輪切符を狙いにいく。

 団体銀メダルを受け取った前夜の表彰式ではガッツポーズを見せた“世界のKAWAUCHI”だが、市民ランナー魂は忘れていなかった。既に10月30日の大阪マラソンにエントリー済みだそうで「あと1カ月ちょっとで、どこまで回復できるか分からないけど、走るつもりです」と意気込んだ。その後も12月4日の福岡国際マラソン、来年2月26日の東京マラソンに参戦する意向で、今回の世界選手権を含めて半年間で4レースに臨む驚異的な日程となる。

 実業団選手なら五輪代表選考レース1本に絞ってじっくり調整していくところだが、川内は「ぼくは市民ランナー。出られるなら日本中のレースに出る」と自己流を崩すつもりはない。ロンドン五輪の代表選考会となる福岡、東京の2大会に向けても「福岡は記録、東京は順位を狙いたい」と早くもイメージ。弟の鴻輝さん(18)には「良い成績と悪い成績が出たら、陸連はどう判断するのかな?」と選考レースに2度も出場するが故の悩み?も打ち明けた。

 6日からは埼玉・春日部高定時制事務員の通常業務に戻る。「日本代表の川内は、あしたから普通の川内に戻ります」と言って周囲を笑わせたが、今後の参戦レース日程が普通ではないことも理解している。十分な休息をとる暇もないが、世界の舞台で戦った自信を胸に「40、50歳になっても選考レースに出て“あのおっちゃん速いな”と言われるのが目標」と生涯現役を宣言。そのうえで「日本人トップとか小さいことにこだわらず、世界で通用するようになりたい」と目を輝かせた。五輪という世界最高の舞台を目指し、公務員ランナーが再び走りだす。

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2011年9月6日のニュース