震災孤児救う…白鵬“関取基金”提案

[ 2011年4月23日 06:00 ]

稽古後に質問に答える白鵬

 大相撲の横綱・白鵬(26=宮城野部屋)が22日、東日本大震災の震災孤児支援策を自らが会長を務める26日の力士会で提案すると明かした。今後10年間、十両以上の全関取(定員70人)で毎月1万円ずつ寄付し続ける構想で、親方衆にも賛同を呼びかけるという。ユネスコから「スポーツ・チャンピオン」の称号を与えられた横綱が、子供たちのために立ち上がる。

 白鵬はこの日の稽古後、宮城野部屋を訪れたユネスコの野口理事長らに被災孤児支援の熱い思いを打ち明けた。被災地への慰問や募金活動に精力的な横綱は「被災した子供たちが、今後どうしていくんだろうという思いがある。家族を失った子供たちを支援したい」と訴え、十両、幕内の全関取が毎月1万円を寄付していく支援策を26日の力士会で提案すると明かした。

 現在は八百長問題で19人の欠員が出ているが、関取全員が1万円を寄付すれば通常は月70万となり、年間で840万円となる。また横綱は親方衆らにも呼び掛けたい意向を持っており、親方105人全員が寄付すると、関取分と合わせて年間で約2000万円に達することになる。白鵬は「ユネスコの方にも賛同していただいた。1、2年ではなく、10年間やっていきたい。コツコツと継続してやっていくことが大事」と話した。

 26日の力士会では、会長として積極的に支援を呼び掛けていくという。被災地で炊き出しを行ったある幕内力士も「現地に行って人生観が変わった。どんどん支援活動をやっていかなくてはならない」と語るなど、白鵬の考えを支持する声も多い。

 白鵬は08年にアジア人で初めて「ユネスコ・スポーツ・チャンピオン」の称号を与えられるなど、スポーツ振興や平和活動に寄与してきた。17日にも東京・浅草寺で行われたユネスコの募金活動に参加している。白鵬の構想を聞いたユネスコの広報担当者も「話が進めばわれわれも協力させていただきたい」と前向きに話しており、白鵬を中心とした角界による支援の輪が広がっていきそうだ。

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2011年4月23日のニュース