落胆隠せない旭天鵬「何に向けて稽古をしていくのか」

[ 2011年2月7日 10:50 ]

伊勢ケ浜部屋で稽古に励む大関日馬富士

大相撲・八百長疑惑、春場所中止

 大相撲の八百長問題で日本相撲協会が3月に開催予定だった春場所の中止を決めてから一夜明けた7日、力士らは落胆の表情を隠せなかった。

 東京都墨田区の両国国技館では、先週に引き続き力士らの定期健康診断を実施。鮮やかな力士のぼりの撤去作業が行われる中、春場所が行われていれば大関昇進を懸けて臨むはずだった関脇稀勢の里(鳴戸部屋)は、中止決定に「残念です」と無念そう。幕内豊真将(錣山部屋)は「悲しいです。年に一度の大阪場所で楽しみにしていたのに」とうつむいた。

 モンゴル出身の幕内旭天鵬(大島部屋)は「初めての経験だから、どう対応していいか分からない。何に向けて稽古をしていくのか。日に日に事の重大さが分かってきた」と神妙に話した。

 千葉県松戸市の佐渡ケ嶽部屋では大関琴欧洲が関脇琴奨菊らと熱のこもった稽古を行った。琴欧洲は「大阪場所を楽しみにしていた人に申し訳ない。場所がいつ開いてもいいように稽古していく」と話した。東京都江東区の伊勢ケ浜部屋で稽古を終えた大関日馬富士は「ファンを裏切った。一生懸命に応援してくれた人たちの気持ちを取り戻せるよう頑張りたい」と信頼回復を誓った。

 横綱白鵬は墨田区の宮城野部屋に姿を見せず、師匠の宮城野親方(元幕内竹葉山)は「体調不良で稽古を休む」と報道陣に説明した。

 この日、八百長問題の特別調査委員会が新たに全関取の面接調査を開始する予定で、場所などは非公表。午後には相撲協会の放駒理事長(元大関魁傑)が文部科学省を訪れ、高木義明文科相に春場所と年内の地方巡業中止などを決めた6日の理事会について報告する。

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