「反社会的勢力と決別を」文科相が理事長代行に要請

[ 2010年7月6日 12:53 ]

 川端達夫文部科学相は6日、大相撲の野球賭博問題をめぐり、日本相撲協会の村山弘義理事長代行(元東京高検検事長)らと文科省内で会談、大相撲改革のための独立委員会を早急に設置し、暴力団など反社会的勢力と決別するよう要請した。協会側は名古屋場所開催中にも委員会を発足させる考えを伝えた。

 川端氏は会談後の記者会見で「暴力団に維持員席を手配したとされる問題などに協会は未着手だ。一番の課題は反社会的勢力と完全に縁を切ること。委員会には(暴力団などと)つながる要因を根っこから断ち切る議論を求める」と述べた。

 協会の処分には「専門家が判断したことなので重く受け止めるべきだ」と理解を表明。NHKの名古屋場所中継の是非については「NHKが決めること」と述べるにとどめた。

 会談では、村山氏が一連の不祥事を謝罪し、賭博に関与した親方や力士の処分など対応を説明。川端氏が名古屋場所開催を了承していることに感謝の意を表した。
 川端氏は会談の冒頭で「協会が新たなスタートを切ろうとしていることに一定の評価をしている。代行のリーダーシップで、名古屋場所を相撲が生まれ変わる再起のスタートにするため、命懸けでやってもらいたい」と要請した。

 村山氏らは6日午後、名古屋場所を中継するかどうか検討しているNHKを訪れた。村山氏は「相撲界全体に課題があり、一つは反社会勢力の排除だ」と説明。これに対し、NHKの福地茂雄会長は「説明を聞いた上で、これから先の取り組みを決定させていただきたい」と語った。

 相撲協会は4日、臨時理事会を開き、元大関琴光喜と元大嶽親方の解雇処分を決定。村山氏を理事長代行に選ぶとともに、危機管理の在り方などを見直す独立委員会の設置を決めた。

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2010年7月6日のニュース