朝青龍 風邪悪化も魁皇下して11連勝

[ 2009年11月26日 06:00 ]

支度部屋で口に手をやり、せきをする朝青龍

 大相撲九州場所11日目は25日、福岡国際センターで行われ、朝青龍と白鵬が初日から11連勝。唯一の1敗だった平幕・嘉風が敗れ、優勝争いは完全に両横綱のマッチレースとなった。朝青龍は左四つの体勢から魁皇に上手を与えず寄り切ったが、場所前からひいている風邪が悪化したことが判明。取組後には何度もせきをするなど、終盤戦に不安をのぞかせた。白鵬は完ぺきな攻めで日馬富士に完勝した。2敗は琴欧洲ら4人。

 完ぺきな取り口を披露したというのに、心の底からは喜べなかった。支度部屋に戻ってきた朝青龍は鼻水をすすると、ゴホン、ゴホンとせきを連発。「風邪ひいちゃったよ」と珍しく弱音を吐いた。「のどの痛みですか」の問いには「うん」とうなずき、大銀杏(いちょう)を結い終えると再びせき込んだ。もどかしかったのか、小声で「あー、くそ!」と吐き捨てる場面も。関係者によると、場所前から風邪気味だったが、ここにきて症状は悪化しているという。
 それでも、土俵上では抜群の集中力を発揮した。立ち合いから左を差し込んで胸が合う展開になったが、慌てなかった。今場所元気な魁皇に上手を与えないまま、先に上手を取って寄り切り。今にもせき込みそうな顔をしながらも「上手を取るまで慎重だった。(大関も)左を取ったら強いから。慎重に慎重に。集中して」と満足そうに振り返った。この日は元幕内力士で、現在はプロレスラーとして活躍するノア・力皇猛が支度部屋を訪れて激励。若貴兄弟、曙、魁皇らと同じ88年春場所初土俵の先輩から「スピードや体のバランスが素晴らしい」と絶賛され、横綱も2場所連続優勝を約束した。
 同じく全勝の白鵬と並走状態で残り4日。風邪の影響が心配されるが、場所前に腹のだぶつきを指摘した記者を捕まえると「また太ったね、糖尿病になるぞ」と軽くジャブ一発。記者が103キロと聞くと「目指せ120キロ」と返す余裕が、この日はあった。この調子で相撲に集中し、千秋楽まで健康管理に注意を払えるかが優勝争いのカギを握る。

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2009年11月26日のニュース