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『リクナビ NEXT』の「GOOD ACTION アワード」 職場環境向上や労働時間削減などで成果を生み出した企業・団体を表彰

[ 2024年3月29日 12:00 ]

壇上で笑顔を見せる(前列左から)審査員の藤井薫氏、社会福祉法人山ゆり会の松山圭一郎氏、株式会社中川の中川雅也氏、邦美丸の富永邦彦氏、審査員のアキレス美知子氏、守島基博氏、(後列同)アルティウスリンク株式会社の前島みよ氏、筒井工業株式会社の前島靖浩氏、三井住友海上火災保険株式会社の丸山剛弘氏、山陰パナソニック株式会社の船井亜由美氏
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 株式会社リクルート(本社・東京都千代田区)が運営する『リクナビ NEXT』はこのほど、第10回「GOOD ACTION アワード」を受賞した7つの取り組み(入賞3、Cheer up賞4)を発表した。

 このアワードは、働き方の多様化が求められる現代において、従業員一人一人がイキイキと働くための職場の取り組みや個人に光を当てるプロジェクト。社会福祉法人山ゆり会(茨城県)、株式会社中川(和歌山県)、邦美丸(岡山県)は職場環境向上や労働時間削減などで成果を生み出したことが評価され入賞となった。

 10回目の節目を迎えた「GOOD ACTION アワード」の第一歩は、リクルートの一人の女性社員の「多くの時間を過ごす職場がもっとイキイキしていたら。そしてそれが会社全体に広がっていけば」という思いから始まった。GOODな職場・環境・取り組みがあったとしても、個人にとってGOODとは限らない。それぞれの働き方があり、それぞれの働き方に合ったGOODな取り組みが存在する。GOOD ACTIONでは「働くあなたが主人公となり、思いを持って始めた取り組みが、少しずつ周囲の人を巻き込みイキイキと働ける職場の共創へとつながっていく…そんな可能性を秘めた取り組み」に光を当て、10年前から応援している。

 働く個人や会社が置かれている情勢は一昔前から大きく変わってきている。『リクナビNEXT』の藤井薫編集長は①「不確実性社会の経済モデルへの転換」と②「人生100年時代への生き方の転換」が求められていると訴える。

 ①世の中全体がVUCA(先行きが不透明で将来の予測が困難な状態)の時代と言われるようになり、何が正解か分からないというのが今のサービス経済の実態。会社や社長が主導して命令を出しても、それが正解とは限らない。一人一人が顧客接点や職場の声を通じて、新たなサービスや働き方のアイデアを会社に提案し、全社一丸で共創することが不可欠になっているのです。だからこそ働く個人と会社との関係は、上下関係ではなくフラットな関係が大事です。

 ②人生100年時代となり、職業寿命が延伸し、今まで以上に子育てや共働き、介護が当たり前になっています。さらに新たなキャリアに向けて、学校で学び直しをするなどのライフイベントが多くなっています。ライスワーク(お金を稼ぐ仕事)とライフワークをいかに融合させるかが重要となっています。

 これら2つを実現させることができれば、個人も会社も持続的に輝くことができる。藤井編集長は「個人が思いを持って声を上げることで、顧客サービスがよくなったり物の品質がよくなったりして、会社のファンが増えたりする。子育てなどで早く帰りたい、週休3日などにしたい。そのためにこうした仕事の仕方、働き方の方が生産性が上がる、と声を上げることで、その人の人生もイキイキとしていく。結果、エンゲージメント率(仕事に没頭する力)が上昇し、離職率は低減し、顧客満足度も向上していく」と説明した。

 今回入賞となった取り組みは、山ゆり会が「保育」、中川が「林業」、邦美丸が「漁業」に従事する企業・団体だった(詳細はGOOD ACTION公式サイトを参照)。働き方改革が叫ばれて久しいが、その動きが大企業から第1次産業、エッセンシャルワーカーへと波及してきている。

 藤井編集長は「社会全体がテクノロジーで解決しようと思えば思うほど、人の力が重要になってきている。エッセンシャルワーカーと言われる人たちがいなければ、コロナ禍では助かる人も助からなかった。しかし、その方々は常態的に長時間労働を強いられている。さらに、時間の問題、お金の問題、休みの問題に加え、将来のキャリアプランが描きにくい。将来が見えなくなっている中で、目の前の働きやすさと働きがい、将来への希望を抱くことができるという事例が出てくるのが今回は多かった」と分析した。

 今、世界的な潮流で「人的資本経営」が注目されている。人をコストではなく資本と捉えて投資するという考え方だ。藤井編集長は「無形資産である人の才能に投資し、一人一人の才能が開花することで、職場がイキイキし、会社も持続的に繁栄する在り方が注目されている。最終的には働いている人の集合体である職場がイキイキとしなければ、本質的な人的資本経営ではない。その本質と共に歩んできたのがGOOD ACTIONの歴史。次の10年も、人がイキイキとする、人に投資するような社会になっていけば」と総括した。

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