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【蹴トピ~データで読み解く】2年ぶり出場の名古屋GK武田洋平が無失点 J1屈指の「第2GK」輝き放つ

[ 2024年4月10日 06:00 ]

名古屋・武田洋平
Photo By スポニチ

 J1名古屋のGK武田洋平(36)が7日の福岡戦で2年ぶりにリーグ戦に出場し、0―0で勝ち点1獲得に貢献した。6、7日に行われた第7節はGKの退場が相次いだ中、誰よりも長く「第2GK」を務めてきた男に焦点を当てる。

 名古屋は正GKランゲラックが体調不良で欠場し、それまで全6試合でベンチ入りしていた武田が初先発した。その武田は前半のアディショナルタイム、壁の横から巻くFWシャハブ・ザへディの直接FKをダイレクトキャッチ。後半12分にはMF松岡大起が放ったライナー性の高速ミドルに右手を伸ばしてスーパーセーブし、90分を無失点で抑えた。

 GKは難しいポジションだ。Jリーグ各クラブに4人前後が所属しながら、出場は常時1人。アクシデントがない限り、試合途中の交代はほぼない。基本的に正GKは固定され、実力に大きな差がなくても、シーズン中に序列が代わることは多くない。カップ戦で出場機会が回ってくることはあるものの、第2GKはいつ来るか分からない出番に備え、日々準備を重ねている。

 武田は2016年に名古屋入り。チームがJ2から再昇格した18年以降はランゲラックが不動の守護神となり、武田は2番手という状況が続いた。J1でベンチ入りしながら不出場だった通算試合数で、武田は歴代最多の305試合。鹿島などでプレーし、11年新潟で武田と先発を争った時期もあるGK小沢英明の290試合を、昨季途中に上回った。武田の通算出場は22試合。先発GK同様の準備をしながら、10倍以上の試合を出番なしで終えてきた。

 第7節では3試合で先発GKが後半に得点機会阻止で退場処分を受け、ベンチのGKが緊急で今季初出場する珍しいケースが重なった。町田は1―0で谷に代わった福井光輝がリードを守り、川崎Fに勝利。神戸は横浜戦で前川黛也に代わり新井章太が、湘南は広島戦で宋範根(ソン・ボムグン)に代わり馬渡洋樹がともに同点で出場したが、勝ち越し点を許し敗れた。

 失点が全てGKの責任ではないものの、途中出場したGKが、しかも1人少ない状況で守り抜くのは至難の業だ。武田は途中出場通算6試合もGK歴代最多。Jリーグを代表する「縁の下の力持ち」が、強い輝きを放った。(データ提供・データスタジアム)

 ◇武田 洋平(たけだ・ようへい)1987年(昭62)6月30日生まれ、大阪府出身の36歳。高校サッカーの強豪、熊本・大津高から06年に清水入りし、10年にJ1初出場。J2大分などを経て16年名古屋移籍。J1通算22試合、J2通算83試合出場。1メートル89、84キロ。

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