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43歳遠藤保仁が現役引退発表 代表&J1最多出場の金字塔 古巣G大阪トップコーチに

[ 2024年1月10日 04:45 ]

サッカー元日本代表遠藤保仁が現役引退

現役引退を発表した磐田の遠藤。磐田での約3年間に感謝のコメントを残した
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 磐田の元日本代表MF遠藤保仁(43)が9日、23年シーズン限りでの現役引退を発表した。J1通算672試合出場、国際Aマッチ通算152試合出場はともに歴代1位。数々の金字塔を打ち立て、26年間の現役生活にピリオドを打った。今季からはG大阪トップチームコーチに就任する。引退会見を行わないヤットらしさ全開の引き際で、12日から指導者として第二のサッカー人生をスタートさせる。

 節目を迎えてもヤットはヤットだった。遠藤は引退会見を行わず、所属事務所の公式動画を通じてコメント配信。いつも通り淡々と「会見で真面目に語るのも僕らしくないかなというのと、とことんオフを満喫したいという思いで開きませんでした」と語り、最後は「バイバイ!」と幕を閉じた。

 決して簡単な決断ではなかった。現役続行か否か。昨季J2では21戦出場5アシスト。磐田を2年ぶりのJ1復帰に導いた。実力も情熱も衰えていなかった。だがサッカーとの今後の携わり方を熟考。くしくも小野伸二や高原直泰ら99年世界ユース選手権(現U―20W杯)で準優勝に輝いた黄金世代と同じタイミングでスパイクを脱ぐ決断を下した。

 98年に鹿児島実から横浜フリューゲルスに加入。開幕戦で先発デビューし、長いプロ人生がスタートした。スプリント回数は少ないが、走行距離はトップクラス。先読みした位置取りや繊細なポジション修正などピッチ全体を俯瞰(ふかん)して見渡す洞察力と確かな技術で01年から加入した「G大阪=超攻撃」を浸透させ、世界とも互角以上に渡り合った。

 ハイライトの一つが08年クラブW杯でのマンチェスターU戦。得意の「コロコロPK」でオランダ代表GKファンデルサルを手玉に取った。ボールを見ずにGKの動きや重心を見極めて逆サイドに転がす。唯一無二の代名詞となった。

 日本代表では3度のW杯に出場。10年W杯南ア大会デンマーク戦では直接FKを叩き込んで16強進出に貢献した。優勝した11年アジア杯ではMF本田圭佑をして「個人的にはヤットさんがMVP」と言わしめた。歴代1位の国際Aマッチ通算152試合出場。派手さはないが、誰もまねできないプレーで一時代を築いた。

 「選手時代に感じたことなど、プラスになる要素があれば伝えていきたい」。今季からは約20年在籍したG大阪のトップコーチに就任する。数々の功績を残したレジェンドの、新たな挑戦が始まる。

 ◇遠藤 保仁(えんどう・やすひと)1980年(昭55)1月28日、鹿児島市出身の43歳。98年に鹿児島実から横浜Fに加入し99年に京都入り。01年にG大阪へ移籍し14年には国内3冠達成。20年10月に磐田に期限付き移籍し22年から完全移籍。24年連続得点はJ最多タイ。W杯は06年、10年、14年と出場。国際Aマッチ152試合15得点。愛称は「ヤット」。3兄弟の末っ子で6歳上の長男・拓哉さんも鹿児島実でプレー、4歳上の次男・彰弘さんは鹿児島実からプロに進み、横浜や神戸でプレーした。1メートル78、75キロ。利き足は右。

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