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不振のドイツを救えるか。日本大好きアタッカーのニャブリに注目

[ 2023年9月9日 08:00 ]

ドイツ代表FWニャブリ(AP)
Photo By AP

 サッカーのドイツ代表アタッカーは、困惑した顔つきで話した。

 「理由なんて言えないよ。マイ・フレンド。分かっていれば、もう修正しているって」

 7月に日本メディアがバイエルン・ミュンヘンに所属するFWセルジュ・ニャブリ(28)をオンラインで合同取材する機会があった。ドイツ代表の不調ぶりに関して質問すると、冒頭の回答があった。
 第1戦で日本に敗れたことが尾を引き、2大会連続の1次リーグ敗退を喫したW杯カタール大会後も親善試合で1勝1分け3敗。開催国として来夏に欧州選手権を控えながらチームづくりへの不安が噴出し、ハンジ・フリック監督(58)には6月から進退論が浮上している。9日の日本戦、12日のフランス戦の結果次第では解任される可能性もあるだろう。

 ニャブリは「我々には素晴らしいチームがあるけど、今は勝つ方法を見つけることができていない。自身の姿を見失っている」と嘆いた。その一方で「それでも働き続けないといけない。信じ続ければ何かが変わる。何とか試合に勝つことができればチームの中で全てが変わる。力強くポジティブなエネルギーが戻ってくる。我々はとても強いチームになると思う」と訴えた。1人の選手としては与えられた役割の中で全力を尽くすしかない。

 オフを利用して6月末にプライベートで来日し、10日間かけて東京や京都を観光しながら川崎Fの施設を利用して自主トレまで行った日本びいき。「また来るから」とスパイクをクラブハウスに置いていった。Bミュンヘンの一員としてプレシーズンの遠征でも来日し、アーセナル時代にチームメートだった宮市亮(横浜)との関係など今夏はとかく日本との縁が注目された。

 「ずっと日本に行きたくて“やりたいことリスト”に載っていたんだけど、新型コロナの入国制限が解除されてようやく。アメージングな旅行で文化や食事が気に入ったよ。居酒屋が大好きで焼き肉も素晴らしかったね」

 昨季はドイツ1部の最終5節で5得点1アシストと活躍して11連覇に貢献したが、今季はここまで公式戦3試合で無得点。日本を相手に自らのシーズン初ゴールで母国の窮地を救えるか。先発が有力な日本大好きアタッカーから目が離せない。(海外サッカー担当・東 信人)

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