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麻也主将 代表引退覚悟「予選敗退したらスパッと辞めよう」、それでも前向く「盛り返せる」

[ 2021年10月9日 05:30 ]

W杯アジア最終予選B組   日本0―1サウジアラビア ( 2021年10月7日    サウジアラビア・ジッダ )

<サウジアラビア・日本>サイドからの攻撃に備える吉田(C)JFA
Photo By 提供写真

 崖っ縁に立たされた主将のDF吉田麻也が、異例の言及でチームを奮い立たせた。

 「サッカーの監督やダイレクターは結果が出なければいつクビが飛んでもおかしくない」とした上で「万が一、予選敗退すれば恐らくガラリと入れ替わるだろうし、自分もそこが区切りになる。そんなふがいない結果になればスパッと辞めようと思う」。

 オーストラリア戦を含む残り7試合は指揮官の進退だけではなく、自らの代表引退も懸けて戦っていく覚悟と責任を口にした。

 最終ラインのリーダーとして、我慢強く統率した。サウジアラビアの長所であるクロス攻撃にも冷静に対処。失点につながる柴崎のパスミスをカバーすることはできなかったが、チームとして崩された形はほぼなかった。それだけに悔やまれる敗戦。試合後のロッカールームも「良い雰囲気ではない」と偽らざる状況を明かした。だが、下を向いている時間も余裕もない。

 「この負けを受けて、2位に入れば良いというマインドでいます。1位でも2位でもW杯出場は出場。前回の予選も2敗している。2敗目は突破後だったけど、つまり2敗まではできるとポジティブに考えたい」

 18年W杯ロシア大会アジア最終予選は6勝2分け2敗で首位突破。それまで初戦敗戦国のW杯出場確率0%という負のデータをはね返した経験がある。相手の陣形を崩すボール保持の仕方、遅攻と速攻の使い分け、良い守備から良い攻撃につなげる攻守の連動性。吉田が指摘するように課題や改善点は山積みだが、それでも「まだ終わっていない。良いチームはここから盛り返せる」と強調した。主将の覚悟を、低調な森保ジャパンの着火剤としなければならない。

 ≪人種差別的ジェスチャーに激怒 相手サポと一触即発≫試合後、現地サポーターから挑発を受けた吉田が激高した。具体的な行為については言及しなかったものの、観客席前に設置されたフラッシュインタビュー用エリアで取材に応じる前に差別的ジェスチャーがあったもよう。「受け入れられないものは受け入れられない。前回の予選のときもそうだったので、ちょっと許しがたいなと思いました」。冷静さを取り戻してインタビューには応じたが、一時はスタンドに詰め寄り、協会広報の制止を振り切って取材エリアを後にするなど珍しく怒りを表した。今後はFIFAやAFCが調査していくものとみられる。

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2021年10月9日のニュース