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久保 黄金の左だ!森保J白星好発進、五輪日本最年少弾「決めるとしたら自分だと」

[ 2021年7月23日 05:30 ]

東京五輪 男子サッカー・1次リーグA組   日本1―0南アフリカ ( 2021年7月22日    味の素スタジアム )

<日本・南アフリカ>後半、先制ゴールを決め雄叫びを上げる久保(撮影・北條 貴史)
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 金メダルへ、好スタートを切った。東京五輪サッカー男子代表は22日、1次リーグA組初戦で南アフリカと対戦し、MF久保建英(20=Rマドリード)が後半26分に決めた決勝点で1―0と勝利した。守ってはDFの要であるDF冨安健洋(22=ボローニャ)が負傷欠場した穴を板倉滉(24=マンチェスターC)が埋めた。次戦は12年ロンドン五輪金メダルのメキシコと中2日で25日に対戦する。

 無観客の味スタだから“日本の至宝”の絶叫がより、響いた。後半26分、久保が東京五輪チーム1号を決める。ペナルティーエリア内の右で仕掛けると、DFを少しずらしてコースをつくり、左足を振り切った。「思い通りにトラップをできて、何回か縦に行っていたので中に簡単に行けるなと。前半に1本ニアに打って外しているので、ファーを狙った」。ボールは遠いサイドのポストを叩いて、ネットを揺らした。

 17年U―20W杯でも倒した相手に、FC東京時代に先発したリーグ戦では負けなしの元ホーム。自信を胸に、積極性を最後まで失わなかった。「試合の途中から、今日決めるとしたら自分だと言い聞かせていた。そういう気持ちでやらないと勝てないし、待っていても誰かが決めてくれない」。FKでは真っ先にボールを受け取り、シュートを外しても繰り返しトライ。この一撃で、00年シドニー五輪1次リーグ第2戦のスロバキア戦(00年9月17日)でMF稲本潤一が記録した同大会の日本最年少得点記録(20歳365日)を20歳48日へと更新した。

 小学4年でバルセロナの下部組織に入団。練習では過酷な競争にさらされた。世界中から逸材が集い選手も入れ替わる。当時、クラブのスタッフとして一家を世話したオスカル・エルナンデスさんは「特別な才能があったが、性格はクールでシャイ。こっちの子供たちは態度でも言葉でも表すが、タケには見えなかった」という。

 言葉の壁もある中、生き抜くには自己主張が必要だった。U―15日本代表で指導した森山佳郎監督は14歳で初めてチームに加わった久保の発信力に驚かされた。年上にも構わず「ボールを出せ」と要求。試合後に選手だけで話し合いをさせると、久保が1人、前に出て議論をリードした。「思ったことをぽんと言葉に出して発信できるのは日本人っぽくなかった」。幼少期に文化の違いや厳しい環境にもまれ、ひるまない内面を手に入れた。

 次戦は25日にフランスを4―1で破ったメキシコと対戦する。だが、久保に恐れはない。メダル候補とも呼ばれる強豪相手に2戦連発で、悲願の頂点へ突き進む。

 ≪20歳48日≫日本はチーム最年少の久保がゴール。20歳48日で、00年シドニー大会1次リーグスロバキア戦で稲本潤一がマークした20歳365日(うるう日を含む)を更新した。次大会にも出場できる「飛び級」の選手が得点したのは初めて。

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